毎月一定額の支払いがある家賃を少しでも安くしたい。賃貸物件に住むなら誰しもが考えることだろう。表示されている家賃より値引きしてもらうのは基本的に難しいが、できないわけではない。成功率は10~20%程度で、値引き額は1,000円~3,000円程度に収まるくらいだが、年間で考えると12,000円~36,000円にもなるため、交渉しないよりはマシだ。
家賃の交渉がしやすい物件の条件
(Image:Shutterstock.com)
家賃の交渉がしやすい物件は、人気度が低い物件だ。以下に具体的な条件をまとめる。
・空室期間が長く即入居できる
・最寄り駅から徒歩20分以上、バス利用要などで交通に不便
・築年数が古い
・車道の騒音が多かったり日当たりが悪かったりする
・3月や9月など移転が多い時期からズレている
いずれも物件のネガティブな要素になるので、この条件を飲んでまで値引きしてもらうのかと覚悟を決める必要がある。
また値引きの交渉をする場合は、いきなり家賃の値引きの話をするのではなく、①礼金→②フリーレント期間→③家賃の順で交渉するとよい。フリーレントというのは、無料で住める期間のこと。最初の半月や1か月はフリーレントをつけられないかと交渉してみよう。「今の賃貸物件を退去するまでの家賃二重払いを避けたくて」というと効果的だ。
物件の条件では「専任媒介」の物件を狙うのが効果的だ。専任媒介の物件では、直接不動産管理会社と条件の交渉ができる。その分物件数が少なくなるのだが、そもそも不動産屋で「専任媒介の物件はありますか」と聞くだけで、この客は不動産のことをよく知っているなと思わせて有利に交渉を進められるかもしれない。ちなみに、管理会社がどこなのかを調べるには、物件の名称から探すのが早い。もし名称からわからなければ、実際に物件を訪問してみて、物件名の近くにあるロゴや、掲示板に貼ってある書類の管理会社名を見ればよい。
賃貸サイト・アプリでの検索は工夫が必要
交渉がしやすそうな物件を探すときは、賃貸物件情報がまとまっているサイトやスマホアプリで検索するのだが、条件検索が少し難しい。例えば最寄駅からの距離は、徒歩〇〇分以内などの条件、築年数は築〇〇年以内などの条件が並んでいる。駅から遠い物件だけ、築年数が古いだけの物件などを見つけるのは手間がかかる。そこでこれらの条件はすべての物件を表示するようにし、家賃の安い順で並び替えて検索するしかない。その中から距離が遠くて交通に不便そうな物件をピックアップしよう。特に同じ価格帯で、条件が悪い物件であれば、交渉がしやすい物件であるといえる。
条件検索では、駅徒歩時間、築年数はそれぞれ最大値を選択する方式。ゆえに条件は最大値(指定なし)を選択するしかない
条件検索結果の見方の例。徒歩15分以上やバスの乗車時間が書いてある物件は交渉しやすい。その分実際に住んだ場合に不便となることも念頭においておく
条件が悪ければ人気が出ないので値引き交渉しやすい。というのは不動産に限らない。また交渉するときは上から目線で、条件が悪いから値引きして。というよりは、気に入った物件だけど予算が少し足りないとか、部屋の間取りはいいんだけど騒音が気になるからその分安くできないのかといった具合に、担当者と同じ目線で交渉することが大切である。