首都圏所得格差 神奈川県は世帯主の収入に頼る傾向が大

働く女性が多いのは埼玉県

首都圏所得格差 神奈川県は世帯主の収入に頼る傾向が大

(Image:Benny Marty / Shutterstock.com)

 一人当たりの所得において東京都がズバ抜けて高いのは先も述べた通り(2018/07/02掲載)。しかし、あくまで所得は住民税などを抜いたもので、各世帯ごとの収入を示すものではない。世帯収入は、消費活動などを推し量るうえで所得よりも重要な指標となる。言ってみれば一家全体の収入なのだ。
 なんと世帯ごとの実収入では、一人当たりの所得で存在感の薄かった埼玉県が60・1万円で首都圏トップに躍り出る。次いで2位が東京都で56・6万円、千葉県55・7万円、神奈川県51・3万円と続いている。なんと埼玉県と神奈川県では約9万円も開きがあるのだ。ちなみに世帯主収入でも埼玉県は東京都に次ぐ首都圏2位。最下位の神奈川県とは2万円以上の差をつけている。
 それもそのはず埼玉県は、首都圏でもっとも共働き世帯が多い。逆に神奈川県がもっとも少なく、世帯主の収入に頼る傾向が強いのだ。女性の労働力人口比率でも埼玉県がトップ。女性の社会進出という面では埼玉県がもっとも進んでいるようだ。

首都圏の上流・東京都&神奈川県の類似性

首都圏所得格差 神奈川県は世帯主の収入に頼る傾向が大

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 世帯が得た収入をどのように支出しているのだろうか。各都県の消費支出についてみていこう。
 東京都の各世帯における1ヶ月間の消費支出は33・1万円。全国2位で首都圏ではもっとも支出が多い。貯蓄現在高は1966・9万円で全国トップだが、住宅ローンなどが高額なため、負債現在高も788・9万円でトップ。注目は教育費の支出割合で全国2位の5・9%。首都圏で教育費支出の割合がもっとも低い千葉県は3・5%で、その差は2%以上も開いている。東京都は小・中学生の通塾率が高く、教育費を押し上げる要因となっているのだ。お受験などの意識の高い世帯が多いと考えられる。
 そのほかでは、被服及び履物費割合が4・8%で全国1位。また、スマホ所有数量(全国2位)、パソコン所有数量(全国1位)、タブレット所有数量(全国1位)など情報機器の項目も高い。情報やファッションに対する感度は、他の追随を許さないといえるだろう。逆に、1000世帯当たりの自動車所有台数は665台で全国最低。その数値は年々下落しており、公共交通網が発達した東京都では、ますます車離れが進行しているのだ。
 神奈川県は、貯蓄現在高や負債現在高などで東京都に次ぐ全国2位。ついでに有価証券現在高割合も東京都、神奈川県で全国のワンツーを独占している。東京都と神奈川県は世帯の資産形成がよく似ているといえるだろう。東京都と類似する傾向は、ほかの項目でも見られる。先述した教育支出は東京都に次ぐ全国3位。交通・通信費割合では神奈川県が全国でもっとも低く、東京都が次に低い。交通インフラなど、生活スタイルがよく似ているため、消費傾向も必然的に似てくるのだ。

文=

引用元:首都圏格差 首都圏生活研究会 (著)(三交社刊)

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