犯罪発生率は千代田区がダントツ! 安全なのはドコ!?

首都圏でもっとも犯罪が多いのは?

首都圏治安格差

(Image:Shutterstock.com)

 犯罪は人口が多ければ多いほど増加する傾向にある。そのため、犯罪発生件数では必然的に東京都がもっとも多くなる。警察庁が発表した平成27年度の刑法犯(窃盗・殺人・放火・強姦など) の認知件数では、東京都が14万8182件、次いで埼玉県が7万3456件、神奈川県は6万1664件、千葉県は神奈川県とほぼ変わらず6万1656件となっている。
 人口1000人あたりでの数値を見ると、東京都は11・96件、次いで千葉県が10・98件、そのあとに埼玉県が10・62件、神奈川県が5・62件と続く。千葉県と神奈川県はほぼ同じ数でありながら、差が開いた。神奈川県がもっとも犯罪に遭遇する可能性が低いといえるだろう。どちらの数値でも首都圏トップとなった東京都は、認知件数で全国1位、人口1000人当たりでも全国3位。日本では屈指の治安の悪いエリアだといえるだろう。

皇居のある千代田区の犯罪率がもっとも高い?

犯罪発生率は千代田区がダントツ! 安全なのはドコ!?

(Image:Shutterstock.com)

 東京の治安は表す言葉としてよく「東の足立、西の町田」と呼ばれている。ともにヤンキーが多いというイメージが定着しており、都内では治安が悪いと有名なエリアだ。たしかにどちらの街も怪しい雰囲気を感じる場所が多い。性風俗系の店舗が集まる繁華街だったり、酔っぱらったコワモテのお兄さんを見かけることもある。
 しかし、最近の犯罪発生件数の推移を見ると足立区も町田市も急減。平成23(2011)年から平成27(2015)年にかけて、どちらも3割以上減少しているのだ。もともと件数が多かったので、減少率が大きくなるのは当然だが、少しずつ改善に向かっているのはたしか。とはいえ、いずれも駅前などに危険エリアが存在している。そこに近づきさえしなければ、気にしすぎる必要はない。では、具体的にどこがもっとも治安が悪いのか。犯罪発生件数を人口で割った犯罪発生率で見ると、ダントツは千代田区。皇居などがあり、警官も多数配備されているのにどうしてこのような結果になってしまうのだろうか。
 それは千代田区は昼間人口(昼間の間に通勤などで流入する)が圧倒的に多く、夜間になると人がいなくなるという特性によるものだ。千代田区の夜間人口は昼間の17分の1程度。区内の犯罪発生件数を夜間人口で割ると、犯罪発生率が高くなるのは当然だ。そこで、昼間人口も考慮して犯罪発生率を算出してみると、もっとも高いのは上野や浅草を擁する台東区。そのほか池袋のある豊島区などが続く。逆に千代田区は安全度の高い街である。

本当に神奈川県警は無能なのか?

犯罪発生率は千代田区がダントツ! 安全なのはドコ!?

(Image:Shutterstock.com)

 神奈川県警はネットや口コミなどで「無能」と呼ばれて叩かれている。管轄内で大きな事件が起こるたびにネタにされては嘲笑されることも多い。
 しかし、実際の刑法犯の認知件数1件当たりの検挙率を見ると、実は首都圏でトップ。しかも人口1000人当たりの警察官数は1・70人(全国39位)で決して多くない。むしろ同警察官数が3・22人で全国トップにもかかわらず、東京の同検挙率は首都圏で最下位。犯罪を取り締まるという本来の目的はしっかり果たしているのだ。
 それでも「無能」のイメージが消えないのは、マスコミをにぎわせる不祥事が多すぎるからだ。署員による覚せい剤の使用や強制わいせつ、一般住民への暴行事件など、毎年のように事件を起こしている。ちなみに、神奈川県警の現職署員によると「何かあるとマスコミへの配慮に署内全体が必要以上にピリピリする」らしい。イメージを払拭しようとどれだけがんばっても、不祥事が起これば「また神奈川県警か」と呼ばれる。何とも悲しい運命だが、それでも首都圏トップの検挙率を維持しているのだから、ある意味で優秀だといえるだろう。

千葉県での交通事故は死亡者多数!

犯罪発生率は千代田区がダントツ! 安全なのはドコ!?

(Image:Shutterstock.com)

 交通事故の発生件数は首都圏で千葉県がもっとも少なく、1万8022件(平成28 年)。東京都は約3万5000件だから、その数は約2分の1。しかし、それにもかかわらず千葉県では死亡事故が多い。その数は185件。東京都が159件だから割合でいえば圧倒的である。
 もっとも多いのは千葉市で24人。次いで船橋市、松戸市、市原市がそれぞれ12人で同率2位となっている。被害者のうち99人が65歳以上の高齢者で、なかでも60人は歩行中に死亡事故に遭っている。時間帯は昼の10時と夕方18時の割合が多い。交通死亡事故を起こした原因は、1位前方不注意、2位運転操作ミス、3位安全不確認となっている。どれも運転手によるミスだといえるだろう。
 詳細な原因分析は千葉県警が必死に行っている最中だが、やはり千葉出身の筆者としては運転マナーの悪さを疑ってしまう。日本自動車連盟(JAF)千葉支部の交通安全実行委員会が実施したアンケートによると、千葉県内の自動車運転マナーが「悪い」と感じている人が10人中4人以上の割合にのぼることがわかっている。マナーの悪さで上位に指摘されたのは「ウインカーが遅い」「急な車線変更や右左折」「無理な割り込み」などだ。ちなみに千葉市の接触事故でスピードを緩めずに交差点に進入する「安全不確認」は4割を超える。千葉県警も交通死亡事故の多くは横断歩道を渡っているときだと断定している。また、立体横断施設数の少なさ(全国25位)も事故の要因のひとつだろう。歩行スピードの遅い老人に、スピードを緩めない車が突っ込むというのが実情ではないだろうか。

文=

首都圏格差

首都圏格差

アマゾンで購入

関連記事

犯罪発生率は千代田区がダントツ! 安全なのはドコ!?のページです。オトナライフは、【ヘルス・ライフ防犯首都圏格差】の最新ニュースをいち早くお届けします。