本物を貼り合わせてもニセ札扱い?!

破れた紙幣を自分で貼り合わせて使用すると逮捕されるの?

2019年5月16日、香川県のコンビニでボロボロになった1万円札を貼り合わせて使用した老人が通貨変造の疑いで逮捕された。ネット上では「本物の1万円を使っているだから厳重注意でいいのでは?」と話題になっている。そこで今回は、通貨の偽造、変造、模造の罪と、破れた紙幣の正しい処理について解説しよう。

本物の通貨でも貼り合わせるとアウトなの!?

破れた紙幣を自分で貼り合わせて使用すると逮捕されるの?

(Image:Shutterstock.com)

 皆さんは通貨を偽造すれば逮捕されるのは知っているだろう。しかし、今回、香川県で逮捕された老人は、偽造ではなく、ボロボロになった本物の1万円札、数枚をセロテープで張り合わせて使用したことで逮捕された。ネットでは「本物なのに逮捕するのは行き過ぎ!」との声があがったが、実は法律上はアウトになる可能性が高いのだ。
 いわゆる「偽札」については2種類の法律ある。まず、「通貨の偽造・変造」は刑法第148条以下に規定されているが、これはあくまでも“行使の目的”で実行すると「無期又は3年以上の懲役」という重い罪になる。逆に、使用する目的でなければ罪に問われないのだ。また、「偽造」はゼロから本物そっくりの通貨を作ることを言うが、「変造」は本物に手を加えて別の通貨にすることを言う。
 つまり、今回の事件はコンビニで使用する目的で「変造」した通貨を使っているので、有罪となる可能性が高いのである。

破れた紙幣を自分で貼り合わせて使用すると逮捕されるの?

(Image:Shutterstock.com)

破れたり汚れたお札は、規則にしたがって日本銀行で引き換えてくれる。絶対に自分で補修して使わないほうがいい

破れたお札は日本銀行で引き換え可能!

 ニセ札については「通貨の模造」についても「通貨及証券模造取締法」で規定されており、本物と間違えそうな紛らわしい通貨を作成すると、1月以上3年以下の禁固か1~2万円の罰金に処せられる。こちらは“行使の目的”がなくても有罪となるので注意が必要だ。ちなみに、子どもの玩具などで1億円札などが売られているが、これは“紛らわしい”ことの証明が難しいらしく黙認されている状況だそう。
 それにしても、今回の事件に同情の声が集まるのは、老人がボロボロになった複数の1万円札をセロテープで張り付けて使ってしまったことにある。実は、破れた紙幣は日本銀行に持って行くと引き換えてもらえるのだ。その基準は、お札の2/3以上の面積があれば、全額引き換え可能。2/5分以上2/3分以下であれば半額と引き換えてもらえるというもの。皆さんも、もし、お札が破れたり汚れても、自分で貼り合わせたりしないようにしよう。

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