私たちが日常的使っているスマホ。その表面には大量の細菌が付着している。しかも、その数はトイレの便器の18倍以上だという! 数年前からネット上で噂になっているが、果たして本当にスマホはそんなに汚くて危険なのか? 今回はその真相を探ってみる。
「スマホは便器の18倍汚い」の真相とは?
(Image:Shutterstock.com)
私たちが毎日使っているスマホのディスプレイは、手垢でベトベトしているので「何となく汚いんだろうな……」と考えている人は多いだろう。だが、どのくらいスマホが汚いのか? その疑問に答えるべく、実際にとある大学の博士が調べた結果「スマホにはトイレの便器の18倍の雑菌が付着している」という発言をした。そのために、数年前からネット上では「スマホのディスプレイはトイレの便器の18倍も汚い!」という噂が拡散されてしまったのだ。果たして、これは本当なのだろうか?
結論から言えば、研究結果はある程度正しいが、実際にそこまでスマホは汚くて危険なものではなかったのである。
実はスマホは噂ほど汚くはなかった!
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この噂のポイントは「雑菌=汚い」という誤解にあるという。実はスマホから検出される菌のほとんどは毒性のない無害なものなのだ。そもそも人間は「常在菌」と呼ばれる菌と共生しており、スマホに限らず接触の多い服や靴などにも同じぐらいの雑菌が多数付着している。スマホで見つかった菌で、もっとも多かったのは「コアグラーゼ陰性ブドウ球菌」という常在菌だったのだ。つまり、「スマホのディスプレイに便器の18倍の雑菌が付いている」としても、それがただちに「便器の18倍汚くて危険」というわけではなかったのである。
とはいえ、スマホが食中毒を起こすノロウィルスやインフルエンザの感染源とならない保証はない。できるだけ、トイレや食事中にスマホを使用するのは避けたほうがよいだろう。