実は中国語に導入された日本語がこんなにあるって知ってた?

漢字は中国から伝来した文字というのは常識だ。しかし、日本でも独自の漢字が生まれ、それが中国語に導入されていった歴史を知る人は意外と少ない。たとえば科学、哲学、文化、時間、経済、革命、銀行などはすべて日本で作られた漢字で、中国に逆輸入されたもの。なんと中国の国名に使われている「人民」「共和国」も、元は日本語なのである。

日本製漢字が中国で普及したきっかけは日清戦争

実は中国語に導入された日本語がこんなにあるって知ってた?

(Image:Mirko Kuzmanovic / Shutterstock.com)

 古代、中国から日本に伝来した漢字は、長い歴史の中で、日本独自の「和製漢語」が数多く作られてきた。たとえば、江戸時代に西洋から輸入された書物を日本語に翻訳する作業が行われたり、明治維新後は急速な西洋化によって国の制度や思想、法律、学術用語などが、次々と日本語化されていったのである。
 そんな日本製漢字が中国で使用されるきっかけになったのは、1894年(明治27年)に日清戦争に敗北した清(中国)が、素早く近代化を遂げた日本に学ぼうと、数千人もの留学生を日本に派遣したこと。清の留学生は積極的に日本の書物を中国語に翻訳していったのだ。もちろん、留学生たちが独自に翻訳した単語もあったが、結果的に日本語のほうが広まったのである。たとえば「電話」は、中国では英語の“Telephone”の発音に漢字を当てた「泰来風」という漢字が作られたが、日本語の「電話」の方が普及した。逆に日本語の「株式会社」は中国では広まらず、中国で作られた「有限公司」のほうが使われている。いずれにせよ、かなりの日本語が中国語になっているという事実を、日中双方の国民があまり知らないというのは面白い現象であろう。

 

■中国語になった日本語の例
電気/電話/電車/自転車/病院/弁当/手帳/野球/雑誌/美術/組合/警察/出版/倫理/哲学/文化/原子/時間/空間/速度/温度/概念/理念/教養/義務/経験/会話/関係/理論/申請/演出/活躍/基準/主観/否定/接吻/失恋/目的/健康/常識/現金/工業/輸出/不動産/領土/投資/市場/企業/国際/経済/指数/債権/政治/革命/解決/社会/主義/法律/共産党/左翼/幹部/指導/議会/協定/市長/人権/批評/特権

実は中国語に導入された日本語がこんなにあるって知ってた?

(Image:B.Zhou / Shutterstock.com)

中国の改革40周年を迎え、開放された成都に掲示された共産党の看板。この中にも「OO的OO」という日本独自の表現が使われている

日本人独特のセンスで翻訳された日本製漢字

 それではどうして日本製漢字はすんなり中国人に受け入れられたのだろうか? そもそも中国語は、漢字一文字で表現するのが基本で、漢字二文字で表現することは少なかったらしい。だが、日本人は西洋の新しい言葉を積極的に漢字二文字で表現していった。しかも、日本人は外国語の発音ではなく、漢字の意味から二文字を組み合わせ、さらに中国語の法則に従って翻訳した。そのため、中国人が見ても何となく意味がわかり違和感もなかった。たとえば「投票」は日本語で“票を投じる”という意味なので「票投」としてもよさそうだが、中国語の法則どおりに「投票」と翻訳したのである。当時の中国人留学生にはない自由な発想で日本人が翻訳した漢字は、何となく新鮮でカッコいいものに映ったのかもしれない。
 また、日本製漢字には「OO式」「OO化」「OO感」「OO主義」「OO型」といった日本独自の表現も多く、最近では「OO的」が「OOの」という意味で使われていることが多い。これは親日国と言われる台湾で流行ったものが、今では中国本土でも普通に使われている。
 ちなみに、中華人民共和国のうち、元から中国語なのは「中華」のみ。「人民」「共和国」は日本語漢字である。

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