医療技術の進歩や健康への意識の向上によって、近年「人生100年時代」とも言われるようになってきている。そんな時代に降って湧いた“老後2000万円問題”は、世の中に資産形成の重要性を改めて認識させるきっかけとなった。そしてその資産形成は、30代こそ始めるべきことなのだ。
今回は、なぜ30代で資産形成を始めるべきなのかをお伝えしていきたい。
コロナ禍で増した老後の不安1位は“お金”

資産形成は豊かな老後を送るために不可欠だ
生命保険会社のメットライフ生命保険は2020年8月、「老後」に関するオンライン調査を実施している。その結果によると、新型コロナウイルス感染症の影響で「老後に対する不安が増えた」という回答が半数近くにのぼったという。さらにその増えた不安要素は、20代・30代・40代・50代とも共通で1位「お金」、2位「健康」となっている。コロナ禍で打撃を受けた会社が従業員の賃金を下げたり解雇したりする現状が連日ニュースで報道され、「明日は我が身」と不安を覚えた人も少なくないのだろう。
また、「老後の備え」についての設問では、老後のために金融資産を「計画的に貯めている」「計画的ではないが少しずつ貯めている」という前向きな回答が60%以上を占めた。中でも30代は63.3%と、60~70代に次ぐ高い数値を記録し、他の現役世代と比べて貯蓄への意識が高いことがわかった。
加えて資産の運用の実施率でも、30代は31.8%が「実施している」と回答。こちらも現役世代の中ではトップとなり、老後に向けて資産を蓄えているビジネスパーソンが多いことが明らかとなった。