日に日に高度化する手口によって、毎年多くの被害者が出てしまっているクレジットカードの不正利用。様々な報道でその手口と対処法が紹介されているにも関わらず、その被害は収まる気配を見せていない。
今回は、そんな不正利用の被害に遭ってしまった被害者たちを対象とした調査の結果をご紹介したい。
不正利用の年間被害額は200億円超!

フィッシング詐欺などあなたの個人情報を狙う犯罪者は世界中に存在する
クレジットカード決済は、国が普及を進めているキャッシュレス決済で最も利用されている決済方法だ。日本でも高度経済成長期から利用されるなど歴史も古く、2019年に日本クレジット協会が発表したところでは国内だけで2億8,000万枚を超えるクレカが発行されている。これだけ身近で多くの人が持っているだけに、不正利用のターゲットとなっていることも多く、同協会の発表によれば2019年の1年間で不正利用の被害総額は273億円にものぼるという。
三井住友カードの運営するヒトトキが実施した「クレジットカードの不正利用に関する調査」では、そんなクレカの不正利用被害に遭った500人の生の声を紹介している。
調査で最も被害の多かった手口は、「フィッシング詐欺」だった。フィッシング詐欺とは、銀行やECサイトを騙るメールなどから偽のHPにアクセスさせ個人情報を抜き取る手口だ。偽のHPは精巧に本物に似せているため、アクセスしたユーザーは本物と間違えてユーザIDやパスワードを入力してしまい個人情報を盗まれてしまう種類の詐欺だ。
また、不正利用の発覚時期を聞いた設問では、自ら不正利用に気づけた被害者は全体の60%ほど。カード会社や警察からの連絡で初めて知る人も多く、被害に遭ってもなかなか気づけない不正利用の傾向を表している。