コロナ禍で冷え込みきっていた飲食業を支援するため、国が2020年10月からスタートさせた「Go To Eatキャンペーン」。読者の方々の周りでも、キャンペーンを利用したことのある人がいるのではないだろうか。しかしある調査の結果、Go To Eatを利用したいとは思っているものの、やり方がわからず利用できていない人々が一定数いることが判明した。
今回は日本の飲食業をさらに盛り上げるためにいま国がすべきGo To Eatのテコ入れを考えていきたい。
利用経験者が一番少ないという調査結果に
10月に始まったGo To Eatは、キャンペーンの開始から9日間で558万人の利用があったと発表されるなど、飲食業の振興に貢献していることは確実だ。同発表の時点で、全国で8万店近い店舗がキャンペーンに参加するなど飲食店側からの期待も大きい。中には“トリキ錬金術”など制度の盲点を突いた利用も発生してはいるものの、これも注目度の高さゆえと捉えて、抜け穴を一つひとつ埋めていけばいいことだろう。
リサーチ会社のクロス・マーケティングが10月に実施した「Go To Eatキャンペーンに関する意識調査」によると、Go To Eatの認知率は92%。さらに「利用したことがある」「予約している」という回答者は20%となった。一方で「利用したいと思わない」という回答は37%にのぼり、新型コロナウイルス感染症への感染リスクを考え、まだまだ飲食店での会食に抵抗感を持つ人も少なくないようだ。さらに、回答者の年齢が上がるほど利用する意識は下がり、利用したくない層が増加することもわかった。
そしてこの調査で注目をしたいのが「利用したいが予約方法がわからない」という層だ。全体でも35%と「利用したくない」層に匹敵し、利用した層を上回っている。加えて、20・30・40代の回答では「利用したくない」も上回り一番多い回答となった。
つまり、キャンペーンの存在を認知し需要も少なくないものの、利用方法が知られていない現状が浮き彫りとなったかたちだ。今後キャンペーンをさらに展開し冷え切った飲食業を一刻も早く回復させるためには、こうした層への周知徹底を図るべきではないだろうか。
最近のテレビではマイナポイントのCMを見かけることが多い。キャッシュレス化も国が注力している施策のひとつでもあり、そこにリソースを割くことも必要なのは間違いないだろう。しかし現在は、Go To Eatや「Go To トラベル」など、火急の立て直しを要する業界への支援を優先してもいいのではないだろうか。国のかじ取りが産業の回復スピードを大きく左右するだけに、いま広めるべき施策は何なのか改めて考えてみるタイミングに入っているのかもしれない。
参照元:Go To Eatキャンペーンに関する意識調査【クロス・マーケティング】