もはや修行僧? 便利なはずの「完全キャッシュレス」がまだまだ遠い未来なワケ

現在、国をあげて普及に取り組んでいる「キャッシュレス決済」。ここ数年で一気に浸透した「QRコード決済」など、あなたやあなたの周囲でも何らかのキャッシュレス決済を使っている人も多いのではないだろうか。しかしそんなキャッシュレス化の最終形とも言える「完全キャッシュレス」が、現時点ではあまり便利とは言い難そうな実態が明らかとなってきた。
今回は、完全キャッシュレスが今後克服していかないといけない課題などをご紹介する。

キャッシュレス化でどこまで便利になる?

国の還元事業も普及を大きく後押しした

 小銭をジャラジャラと持ち歩いたり、会計の端数を揃えるためにレジの前で何枚あるか数える必要が無かったりと、「現金決済よりも便利」なところがキャッシュレス決済のメリットだ。お金に関する情報メディア・まねーぶが2020年10月に実施した調査によれば、キャッシュレス決済を利用したことがある人は回答者の96.2%にのぼった。これだけの高い利用率となった背景には、6月末まで行われていた国の「キャッシュレス・ポイント還元事業」や、近年盛んに行われているQRコード決済サービス各社の還元キャンペーンによるところも大きいだろう。
 さらに調査では、現金利用を一切しない“完全キャッシュレス民”も存在し、キャッシュレス決済を利用したことがある人のうち7.5%が“完全キャッシュレス民”であることが明らかとなった。

これだけの取扱いサービスの中から一番おトクなサービスを選ぶのは根気のいる作業だ

 便利なキャッシュレス決済を常時使っている完全キャッシュレスであれば、普段の生活もよほど便利になっている…のかと思いきや、フリー回答を見ると思っていたよりは便利ではなさそうなのだ。
 完全キャッシュレスを実践している回答者によると、「現金を持ち運ぶ煩わしさから解放された」「収支の確認のために受け取っていたレシートが不要になった」といったメリットがあるという。しかし一方で、「多数のスマホ決済サービスの利用し、ポイント還元率を踏まえて使い分けている」「お店が自分の使っているキャッシュレス決済に対応しているか事前に調べている」といった、人によっては面倒だと思ってしまうような利用エピソードも漏れ聞こえてきている。おトクのためのひと手間を煩わしく感じるかどうかが、完全キャッシュレスに踏み切るべきか否かのポイントとなりそうだ。

 また、会食などでの割り勘の際には自分が代表してカードで払わせてもらったり、キャッシュレス派同士でバッティングした場合はわざわざ会計を別にしているという。他人を巻き込んでの対応となるだけに、「この人は完全キャッシュレスだ」という周囲の認識・理解も不可欠と言えるだろう。
 そうした苦難を克服して今すぐ完全キャッシュレスに移行するメリットは、残念ながら筆者には見いだせない。みなさんも自分のいる環境と相談して、適度なキャッシュレス化を進めていってもらいたい。

参照元:キャッシュレス利用者は96.2%、現金利用一切なし“完全キャッシュレス民”の実態とは?【まねーぶ】

オトナライフ編集部
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