新型コロナウイルスの流行により、一躍定着を見せた「テレワーク」という働き方。感染リスクの減少という主たる目的以外にも、通勤時間の減少や自宅にいながら仕事ができるという利便性から、多くのサラリーマンが導入に肯定的な意見を持っている。一方で、テレワークになることで従来にはなかった不平不満も発生しているようだ。
今回は、テレワークに対して日本人は対応できていたか、今後この働き方はニューノーマルとして定着していくのかについて迫っていく。
導入に問題なし。効率性も上がる!非の打ちどころはないのか
ライムライト・ネットワークス社の行なった調査によると、「緊急事態宣言によるリモートワーク(テレワーク)への移行に際し、会社が用意したシステム環境は万全だったか」という質問に対して、日本人の約8割が「問題なかった」あるいは「問題があったが、すぐに対処された」と回答。多くの日本人がテレワークの導入にスムーズに対応できていたことが分かった。そのほかにも、「リモートワークの方が仕事の生産性は上がるか」という質問には、6割以上の日本人が生産性は上がると感じていることが分かった。
多くの日本人が作業環境へ不満を感じることがなく、さらに仕事自体の効率も上がると感じていることからテレワークには利点が多く、新型コロナウイルスの流行が収まった社会においても継続して導入すべき働き方であるように読み取れる。
一方で、利点しかないシステムに見えるテレワークにも、離れて働くからこそ生まれるトラブルやストレスが発生していることも分かった。
「リモートワークにおいて不満を感じるのはどのようなときか」という質問に「オンラインビデオ会議中に遅延や中断が起こるとき」と大部分の人が回答しており、“通信の障害”という対面業務時にはなかったストレスに多くの人が悩まされていることが分かった。会議のために用意してきた“とっておきのプレゼン”も回線ダウンで誰かが落ちてしまえば、「どこまで聞こえましたか?」と、発表はやり直し。せっかく用意してきたプレゼンもスムーズな発表とはいかなくなり、先方への印象は悪くなるかもしれない。また、ちょっとした通信のラグから発言のタイミングが被ってしまい、会議や打ち合わせ中に終始モヤモヤしたなんて経験はないだろうか。
多くの識者が口をそろえて「生活様式はコロナ以前に戻ることはない」と語るように、テレワークは今後も社会に定着するとみられている。制度的にも多くの人が効率的だと感じており、以前から叫ばれていた“働き方改革”の前進にもつながっていくことだろう。だからこそ「オンラインならでは」の不満を如何に取り除くことができるかが、真の意味で新しい社会の働き方の基本として定着していくカギになるかもしれない。
参照元:ニューノーマルなワークスタイルへの変化【LimeLight NETWORKS】