鬼滅頼みの外食産業!? コラボすればヒットが約束? 大手企業は隆盛し中小は淘汰への一歩か

2020年は本当にどこを見ても「コロナ」か「鬼滅」だったように思う。もちろん、コロナは新型コロナウイルス感染症のことであり、ネガティブな話題のほどんどは多かれ少なかれコロナ禍が影響を与えていたことは読者のみなさんも同意してくれることだろう。一方で鬼滅の刃は、コロナで落ち込んだ経済を立て直す救世主のような存在でもあり、明るい話題を世の中に提供し続けている。
今回は、そんなコロナで多くの外食産業の企業が利益・売上を落とす中、コラボした企業に次々と明るい話題を運んできた“幸運の漫画作品”についてご紹介していこう。

くら寿司、鬼滅の刃とのコラボで7カ月ぶりの前年比増!

(Image:ssnp.co.jp)

冷え込んだ外食産業にあって、くら寿司はうまく乗り切ったようだ

 国内最大級の企業情報データベース・帝国データバンクが10月に発表したところによると、外食産業の上場企業62社のうち9月の全店の売上実績が前年の同月を上回ったのはたったの9社。全体の85.5%にあたる残りの53社は、コロナ禍で冷え込む外食産業の需要減を持ちこしている状態となった。しかし全体的に減少幅は前月の8月と比べて縮小傾向にあり、落ち込みは底を打ったようだった。
 なかでも注目を集めていたのは、前年同月比13.9%を記録し3位に入った回転ずしチェーンくら寿司。くら寿司は鬼滅の刃とのコラボを実施しており、コラボメニューなどを続々と発売していた。1位・2位は20%超えの2企業に明け渡したが、鬼滅の作品人気に押されて、2月以来7カ月ぶりのプラスとなっている。強力なコラボ相手に恵まれたことで、業績を復調させていたのだった。

(Image:Lewis Tse Pui Lung / Shutterstock.com)

鬼滅の刃の人気ぶりは近年の漫画業界を引っ張る存在でもあった

 ご存知の人も多いかもしれないが鬼滅の刃とは、2020年5月まで週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画だ。現在は漫画本編は終了しているものの、10月に公開された映画も大ヒットしており、SNS上ではファンの間で「煉獄さん(作品のキャラクター)を300億の男にしよう」を合言葉に、2001年の映画「千と千尋の神隠し」が持つ歴代最高の興行収入を更新する勢いを見せているほどのモンスターコンテンツだ。
 そして鬼滅コラボで業績が好調となっているのは、くら寿司だけではない。現在鬼滅の刃は様々な企業とコラボを展開中だ。大手コンビニチェーンのローソンでも、多数のコラボ商品やオリジナルグッズ、さらにはスマホを使った来店スタンプラリーなども開催している力の入れようだ。のりたまなどで知られる食品メーカー・丸美屋もコラボカレーを発売しこちらも好評を博しているという。

 もはやコラボすればヒットが約束されているのかと錯覚してしまうほどの大当たりぶりで、鬼滅の刃側にはコラボのオファーが殺到していることだろう。しかしそうなってくると、オファーしてくる企業の質も判断材料に大きく関わってくることになるのは当然のこと。これからはコラボで良い条件を提示できる大手企業がさらに隆盛し、選ばれなかった小さな企業はコロナ禍で淘汰されていくことになる…かもしれない。

参照元:上場企業(外食産業)の月次売上高動向調査(2020年9月分)【帝国データバンク

※サムネイル画像(Image:ssnp.co.jp)

オトナライフ編集部
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