値下げ合戦の次は陣取りゲーム? 楽天モバイルが必死に進める生き残り戦略

「日本のスマホ代は高すぎる!」という衝撃のCMとともに、格安スマホ業界からキャリアへと殴り込みをかけた楽天モバイル。その言葉に呼応するように国も既存の3大キャリアに携帯料金の値下げ要請の圧力を強め、各社とも対応に追われている状況だ。そんな中で、発端とも言える(?)楽天モバイルが何をしているかというと、ひっそりとサービスエリアを拡大しているのだった。
今回は、大きく変わるキャリア業界の中で、これから楽天モバイルがどんな未来を歩むことになるのかを考えていきたい。

スマホ代の値下げに注目が集まった2020年

(Image:David Marin Foto / Shutterstock.com)

今や誰もが使うスマホだがその利用料金には以前から不満の声も多かった

 2020年9月に菅義偉内閣総理大臣の発言でも注目を集めた「携帯料金の値下げ」。菅総理は官房長官時代からこの件について言及しており、総理となってさらにその勢いは加速し国民の世論も「値下げせよ」といった風潮が強まった。
 しかし大手キャリア3社のうち、現在までにdocomo以外は有効な方向性を示せていない状態だ。とくにauは、SoftBankと足並みを揃えるように「サブブランドでの値下げ」でお茶を濁したうえに、その後発表したau本体での新プランは多数の「〇〇割」を加味した料金を大きく打ち出した発表を行ったために「期待外れ」「値引き詐欺」と世間は猛反発。SNSでは「#au解約」といったau批判のワードが一時トレンド上位に入るなど“大炎上”するありさまだった。

日本地図をすべて塗りつぶせるほどに範囲を拡大させられるのはいつだろうか

 そんなライバルが勝手に沈んでいってくれている状況の楽天モバイルは、12月10日にサービスエリアマップを更新。現在は東京や大阪など大都市圏以外はauの回線を“間借り”している楽天モバイル」だが、2021年2月末までに自社回線のエリアを増やしていくようで、「回線拡大予定エリア」が各県の主要な都市にも広がっている。その後2021年春以降にも順次拡大する旨がマップからは読み取れた。

 しかし楽天モバイルの困難はこれからかもしれない。12月3日に発表されたdocomoの新プラン「ahamo」は、その驚異的な安さで業界を震撼させたことは記憶に新しい。「楽天モバイル・格安スマホ潰し」とまで言われるその料金を目当てに、サービス提供が開始されたら多くのユーザーが乗り換える可能性も高い。4月から「1年無料」で集めたユーザーも、無料期間終了後は同じ“安さ”を武器にしたプランであれば、より利用エリアの広いdocomoに流れてしまうことだって考えられる。そうした流出を防ぐためにも、楽天モバイルは今後いっそう自社回線エリアの拡大スピードを加速させる必要がある。ahamoがスタートする2021年3月までにどこまでエリアを広げられるか。今後も通信エリアマップに注目していきたい。

参照元:楽天モバイルがサービスエリア拡大予定を更新 21年2月末で一気に広がる?【BCN+R

※サムネイル画像(Image:David Marin Foto / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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