いまや、生活になくてはならないECサイト。特にコロナ禍で外出を自粛していた時期に利用を開始した人も多いはずだ。現在ECサイト界で一番知名度があるのは「Amazon」ではないだろうか。調査によると利用経験数も一番多いことが分かった。しかし、実際に人々が使用しているサイトは…。
今回は、ECサイトの利用者の内訳を紐解きながら、今本当に支持を集めているサービスについて考えていく。あなたが利用する、ECサイトの決め手になっているのは何ですか。
利用経験数のAmazonと、リピーター率の楽天市場
MMD研究所の行なった「コロナ禍での総合ECサイトに関する調査」の結果によると、「総合ECサイトの利用経験」について、およそ9割の人が利用したことがあると回答した。もはやECサイトは国民の必須サービスとなっていることが読み取れる。内訳を見てみると、Amazonがもっとも利用率が高く69.7%。次いで「楽天市場」(68.7%)。「Yahoo!ショッピング」(46.9%)という回答結果となった。
ところが、「メイン利用」しているサイトという結果を見ると、もっとも多いのが楽天市場(41.4%)。利用経験では1位を取ったAmazonが38.1%、という逆転現象が起きている。ECサイトの導入としてはAmazonが使用されているが、その後ヘビーユーザーとしては楽天市場が支持されているという結果が浮き彫りとなった。
なぜ、このような逆転現象が起きているのか。「2020年4月以降、利用頻度が増えた」と回答した“今年から新たにECサイトのヘビーユーザーとなった層”の回答を読み解くと、そのヒントになるような傾向が見えてきた。
総合ECサイトを利用開始した理由について、Amazon利用者は1位から3位までのすべてが品ぞろえや配送といった「商品」に関する理由が挙げている。対照的に楽天市場、Yahoo!ショッピングの利用者に関しては3位までにそれぞれ2つ「ポイント」にかかわる理由が入っている。楽天が逆転できている理由は、「Amazonになくて楽天にはあるメリット」。つまりポイントの強さではないだろうか。特に日常的にECサイトで買い物する場合はポイントを気にしない人はいないのではないだろうか。同じ値段、同じ商品であればより使い勝手の良いポイントが付くサイトで買ったほうが圧倒的にお得だ。
ECサイトが「便利」「手軽」というメリットで戦う時代はもう終わったのかもしれない。市場が成熟することでどのサイトもある程度の利便性は確保されているからだ。ポイントの有無で消費者はサイトの利用を決める時代に突入している。ポイント連動サービスのお得さで最強の楽天の勢いに、Amazonは飲み込まれてしまうのかもしれない。
参照元:コロナ流行前後含め総合EC利用トップは69.7%で「Amazon」 うち、メイン利用は「楽天市場」が41.4%でトップ コロナ禍でECサイト利用開始したユーザーは4.8%、利用頻度が上がったのは21.3%【MMD研究所】
※サムネイル画像(Image:amazon.co.jp・rakuten.co.jp)