マンガアプリは無料が当然? 電子書籍は何で収益をあげているのか?

世の中のデジタル化が進んでいく中で、紙でできた書籍も「電子書籍」というデジタル化を果たしていることは皆さんもご存知のことだろう。近年では「Kindle」や「楽天マガジン」などスマートフォンで多くの電子書籍アプリが登場しており、出版社も雑誌の発売と同時に電子書籍でも販売をすることも少なくない。さらに現在は「LINEマンガ」などマンガアプリの隆盛も顕著だ。しかしそんな電子書籍業界は“無課金ユーザー”が非常に多いことが調査によってわかってきた。
今回は、「電子書籍のビジネスモデル」など内容をお伝えしていきたい。

電子書籍は社会に浸透している

どこでも手軽に好きな本を読めることが電子書籍のメリットだ

 デジタルマーケティング事業等を手掛けるナイルが2020年12月に実施した電子書籍の利用実態調査によれば、「現在電子書籍を利用している」と答えた人が36.9%だったという。「過去に利用していた」という人18.1%も含めると、利用経験率は50%を超える結果となった。世の中の2人に1人は利用したことがあるという、電子書籍の世間への浸透ぶりが明らかとなった。とくに男性の20代・30代は「利用している」が60%を超え、電子書籍の主要なユーザーであることも判明。また、「よく読むジャンル」としては「マンガ」が74.4%と圧倒的なトップとなり、現在の電子書籍業界はマンガアプリを中心として広がっている様子が窺えた。
 近年少年漫画を出版している各社が自社の作品を多数載せたマンガアプリをリリースするなど、活発な動きを見せるこの業界。「出版不況」と言われる中でどれだけ好調なのか、と思いきや、使う金額に関する設問を見ると驚きの結果が見えてきた。

出典元:おたすけスマホ情報サイト「Appliv TOPICS(アプリヴトピックス)」
(Image:Lewis Tse Pui Lung / Shutterstock.com)

書籍ならお金を払うのは当然だが電子書籍ではその馴染みも薄いか

 調査の中で「1ヶ月で電子書籍に使う金額」の設問では、39.8%のユーザーが「0円」と回答。さらに「1,000円未満」も30.0%となり、70%近いユーザーが一ヶ月で1,000円もお金を使わない、ということとなった。では、「一部のヘビーユーザーが支えているのか?」と他の回答を見てみても、「10,000円以上」が3.3%、「5,000~9,999円」でも4.9%、と買い支えているとは感じがたい。
 では「何で収益をあげているのか」という話だが、マンガアプリに限って言えば「動画広告」ではないかと考えられる。マンガアプリの中には、広告動画を見ることで1日のうちに無料で読める本数が増える、というシステムを導入しているものも多い。そうした動画の広告費を獲得することで、なんとかアプリ全体として収益化を図っているのだ。

 これはマンガアプリに限った話なので、もちろん電子書籍業界全体で見れば広告費を得ずに黒字になっているものもあるだろう。しかし動画の広告費が前提となっているビジネスモデルのサービスがあることも事実。そんなあの手この手で利益をあげることに奔走する出版社業界にとっては、今年大流行し書籍が飛ぶように売れた鬼滅の刃は、やはり救世主のような存在だったのかもしれない。

出典元:おたすけスマホ情報サイト「Appliv TOPICS(アプリヴトピックス)」

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参照元:2人に1人は電子書籍の利用経験あり、使う金額は利用者の4割が「0円」 電子書籍の実態アンケート【Appliv TOPICS】

オトナライフ編集部
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