「LINE Pay」の「Apple Pay」への対応が開始するようだ。Apple Payに対応することで、ユーザーはアプリを立ち上げることなく、電子マネー「iD」の決済端末にかざすだけで支払いを行なうことができるようになる。
ユーザーとして利便性が上がり嬉しいこのサービスだが、実はそれだけに収まらない局面を変える大きな一手だと言えることが判明。Apple Pay対応でLINE Payの4月以降のユーザー数が大きく変わる?
アプリを立ち上げることなく支払いが可能に
LINE Pay株式会社が2020年12月に行った発表によると、LINE PayのサービスのApple Payへの対応が開始。アプリ上からバーチャルカード「Visa LINE Payプリペイドカード」を発行することで、iD決済への対応を可能としたという。
設定をすれば、アプリを立ち上げることなく店舗に設置されたiDの決済端末からLINE Pay支払いを行なうことができるようになる。iD決済は日本では早くから携帯端末に搭載されたこともあり、国内では121万箇所以上で使用することができる。また“非接触”という特性から、利便性だけでなく昨今の感染症予防の観点からも注目を集めており、今後ますますの普及が予想されている。LINE Payとしては、他社との差別化を図れる利便性の面での武器を手に入れたことで、今後ますます利用者の増加を見込めるはずだ。
このサービスの開始は単なる利便性の向上以外にも実は大きな意味をもっているかもしれない。その理由は、2020年から常に3%バックという高還元を引っ提げて誕生したVisa LINE Payクレジットカードにある。高還元に惹かれて発行した人も多いだろう。加えて還元先がLINE Payという特性上、常用アプリをLINE Payへと乗り換えた人も少なくはないはず。しかし、この高還元も4月まで。キャンペーンが終わってしまえばユーザー離れは止められないだろう。
加えてVisa LINE Payクレジットカードは、クレジットカードでありながらiD決済に対応していることも大きな特徴だ。もともとLINE Payを使っていた人も、Visa LINE Payクレジットカードの支払い方法に慣れてしまったいま、アプリを立ち上げる必要のあるLINE Payに戻るのには煩わしさを感じてしまうはずだ。連携サービスの3%還元というキャンペーンで手に入れた、ユーザーを還元率はもちろん、利便性からも手放してしまう危機に陥っていた。
しかしこのピンチに対しての今回の発表。少なくとも使い勝手という面ではVisa LINE PayクレジットカードとLINE Payに大差はなくなったので、獲得したユーザーの囲い込みという面からみても大きな一手になると言えるだろう。今後のQRコード決済のシェア争いは、LINE Payが台風の目になるかもしれない。
参照元:Apple Payへの対応を開始、LINE Pay残高でのかざして決済が可能に【LINE Pay】
※サムネイル画像(Image:linepay.line.me)