au PAYで給与の前払いが可能に!? 未来を見据えたau PAYの戦略とは

QRコード決済が、お金がなく困窮している人々の救世主になるかもしれない。「au PAY」では2021年5月から、給与を前払いして従業員が自身のau PAYで受け取れるサービスをスタートさせるという。近年コロナ禍で仕事が安定せずお金に困っている人も少なくない中で、給料日を待たずに給与を受け取れるサービスは非常に心強いと言えるのかもしれない。
今回は、“おトク”だけでなくユーザーの抱える困難の解決に新たな進化の糸口を見出したau PAYについてお伝えしていきたい。

“給与の前払い”という新しい軸に活路を見出した?

給与のデジタルマネー支払いが実現したら、もはや貯金通帳は不要なもの?

 auペイメント株式会社は1月18日、労働者への資金提供サービスの開発・提供会社である株式会社ADVASAとの共同事業を実施することを発表した。ADVASAでは、企業の勤怠システムと連動して、従業員がすでに労働した分の給与に限って前払いできる福利厚生ペイメントシステム「FUKUPE」を提供している。今回その2社が提携することで、前払いした給与をそのままau PAYにチャージできるサービスを展開するという。

 給与の支払い方法には一般的に月払いや日払いがあり、普通のサラリーマンであれば月払いで毎月決まった日に口座に給与が振り込まれていることだろう。しかし2020年に猛威を振るった新型コロナウイルス感染症の影響で収入が大きく減少し、生活が困窮している人も少なくない。「1日でも早く給与を受け取りたい」という人を支援したり、「給料日までもたないから…」と不必要な借金をしたりする必要も無くなる、という社会的な貢献にもつながる非常に思い切ったサービスをau PAYが導入するというのだ。また、今後遠くない将来解禁されるとみられる「給与デジタルマネー払い」を見据えた、先行的な取組みであるともされている。

(Image:Ned Snowman / Shutterstock.com)

au PAYを支えるauも、新料金ブランド「povo」などで注目を集めている

 これまでQRコード決済サービスは、「還元率や付与ポイントがどれだけつくか」や「どれだけの店舗で利用可能か」「決済アプリ上でどれほどサービスが充実しているか」といった、“おトク”“便利”を追求した進化を競い合っていた。たしかにそれは業界シェアの獲得やユーザーの囲い込みには短期的に効果が出る施策と言えるだろう。
 しかし今回au PAYが導入するサービスは、そうしたユーザーのメリットとは別の、困窮して困っている人の役に立つ社会的な意義のあるものになりそうだ。これによってブランドイメージが向上し、長期的なユーザーの獲得につながっていくことは大いにあり得るだろう。

 だが一方で、“人助け”であることは間違いないが、QRコード決済というサービスの枠を一気に飛び越えた非常に大胆な施策であることも事実だ。そのため、これまでサービスの中で培ってきたノウハウとは別の考え方が求められる場面も出てくるかもしれない。そうしたタイミングで、au・KDDIグループ全体でどこまでカバーできるかが今後のカギとなってきそうだ。これからau PAYがどう動くかに業界の注目が集まる。

参照元:auペイメント株式会社と株式会社ADVASAが、 共同事業に関する基本合意書締結【auペイメント

オトナライフ編集部
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