2020年に巻き起こったコロナ禍で、世界中でテレワークが推奨されるようになった。そこで存在感を急拡大していったのが、「Zoom」をはじめとしたWeb会議システムだった。人が対面で会いづらくなっても、客先との交渉や社内の会議などビジネスシーンでは打ち合わせが欠かせない。そのため、Web会議は日本でも大流行したのだった。
今回は、Zoomが拓くWeb会議の未来について見つめていきたい。
2020年に広くユーザーを開拓したZoom
Zoomといえば、2020年のYahoo!検索大賞で「Zoom」が流行語部門賞に選ばれ、流行語大賞でも「Zoom映え」がノミネートされた。加えて、自宅からWeb会議で会話をしながら仲間と酒を飲む「Zoom飲み」という単語も市民権を得たのは記憶に新しい。「Google Meet」や「Microsoft Teams」といった大企業のサービスを差し置いて、たった1年で「Web会議システムの代表サービス」というポジションを不動のものとしたのだった。
Zoomはそのサービスの特徴として、「ユーザーフレンドリー」という要素があることは見逃せない事実だ。誰かひとりがZoomのアカウントを持っていてその人がホストとしてミーティングを設定すれば、他の参加者はZoomのアカウントを持っていなくてもOK、という気軽に使える仕様もありがたい。
さらに2020年の年末には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ごうと帰省を自粛した人たちのために、期間限定で無料ユーザーの利用時間の制限を撤廃。オンライン帰省の利用を推奨し話題を呼んだ。
今回Zoomが実装した機能は、「ビデオファイルを直接共有・再生できる機能」や「背景ぼかし機能」、「デバイスサウンドの共有」といったものだった。これらはどれも、ホストによって発言権が振り分けられる「ウェビナー」の利用時に使える機能であり、Zoom飲みのような誰もが自由に発言できる「ミーティング」では使えないようだ。
しかし、同機能がウェビナーで好評を博せば、ミーティング時にも利用できるように機能追加される可能性もあるだろう。たとえばビデオファイルの共有であれば、「最近面白いものを見つけた」とそのとき撮った動画を仲間に見せても場が大いに盛り上がるだろう。さらに背景をぼかす機能も、これまで「部屋の一部に他人に見られると恥ずかしいものがたくさんあるからカメラをONにして参加できない」と感じていたユーザーも、その部分だけぼかして参加することができる。
どちらの新機能もZoom飲みでも活用できる機能と言えるだけに、今後の実装が待たれる。
参照元:Zoomで「動画ファイルの共有」や「背景ぼかし」ができるように、1月25日配信の最新アプリで【ケータイ Watch】