d払いが新たな高倍率50倍還元キャンペーン開催! 業界全体の消耗戦はいつまで続く?

NTTドコモは現在実施中の「Amazonでd払いdポイント50倍還元チャンスキャンペーン」に、抽選で10,000名に2,021ポイントのdポイントをプレゼントするという「お年玉特典」を追加する、と発表した。このキャンペーンは、Amazonで税込10,000円以上の買い物を「d払い」ですると、抽選で10,000名に利用総額に対し通常の50倍のdポイントを還元する、というものだ。
「dショッピング」という自社サービスを持ちながら、他社媒体で展開されるこのバラマキ戦略。企業の成長戦略として、果たして正解なのだろうか。2021年のキャッシュレス決済シェア争いの動向とともに考えたい。

長引くキャッシュレス決済の戦国時代

(Image:soi7studio / Shutterstock.com)

各社とも確実にその経済圏を拡大し、利用者の獲得を狙っている

 2019年のキャッシュレス・消費者還元事業から始まり、2020年には新型コロナウィルス流行の影響を受け、さらに大きな成長を遂げた日本のキャッシュレス決済業界。MMD研究所が18歳〜69歳の男女45,000人を対象に行った「2021年1月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査」によれば、QRコード決済の認知度は93.9%、内容理解は71.5%、現在利用は33.3%という結果が報告されている。また最も利用しているQRコード決済サービスの1位は「PayPay」で43.1%、2位は「d払い」で18.2%、3位が「楽天ペイ」で15.4%だった。
 
 次々に新しい事業者が介入し、キャッシュレス決済の戦国時代とも言われた2020年から、各社はあの手この手を使いさまざまなキャンペーンを打ち出し、ユーザーの獲得にしのぎを削ってきた。今回のd払いのキャンペーンを見る限り、その状況は2021年を迎えた今も変わっていないようだ。

不正アクセスや情報漏洩をいかに防ぐかがユーザー獲得に繋がるかもしれない

 だが先述のNTTドコモのように、他社媒体で展開されるバラマキ戦略などには、どこか違和感を覚えてしまう。自らの利益を削りながらキャンペーンを続けるその戦略に、“消耗戦”と言っても過言ではないこのキャッシュレス決済のシェア争いがいつまで続くのだろうか、とも思ってしまう。この消耗戦の先で、いよいよ淘汰が始まるのかもしれない。
 多数のキャッシュレス決済が乱立、それぞれ多様なサービス、キャンペーンを展開しているが、新しい情報やサービスを積極的キャッチするアンテナの高い層はもう既にユーザーとして何かしらのQRコード決済を使っていることだろう。新たな層を取り入れたくても、複雑なキャンペーンを乱発していては、利用を始めたくてもどこが良いのか分からずに敬遠されてしまう、という結果を招いてしまうかもしれない。

 また2020年は「ドコモ口座」に端を発した大規模なキャッシュレス決済の不正引き出し事件が起きるなど、セキュリティの問題も大きく取り上げられた。さらに同年12月にはシェアトップのPayPayが不正アクセスを受け、最大2,000万件の情報漏洩の可能性が報じられた。
 終わりの見えないコロナ禍において、2021年もキャッシュレス決済の市場は拡大し続け、消耗戦はまだまだ続くことだろう。その先に生き残る鍵を握るのは、キャンペーンよりも確実な安全性ではないだろうか。

参照元:d払い、Amazonで1万円以上購入で1万名に2021ポイント【Impress Watch

※サムネイル画像(Image:service.smt.docomo.ne.jp)

オトナライフ編集部
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