「2021年1月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査」の結果が発表され、総合満足度の1位が「楽天ペイ」であることが分かった。業界最大手の「PayPay」は意外なことに3位にとどまっている。2020年は伸び悩みを見せたようだ。
今回はこの結果から、QRコード決済業界の白熱するシェア争いの現状を伝えて行く。
すべての部門で2位以内!楽天ペイが支持を集める
MMD研究所では「2021年1月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査」を実施した。PayPay、「d払い」、「au PAY」、「LINE Pay」、「メルペイ」、楽天ペイの6個のアプリを対象とした調査で、総合満足度の1位が「楽天ペイ」であることが分かった。内訳を見てみると、「お得部門」「アプリデザイン部門」「利便性部門」「信頼部門」のすべての部門で楽天ペイが2位以内に入っておりすべての面で楽天ペイが高い評価を集めていることが読み取れる。
調査結果から、業界最大手と思われていたPayPayが実は思わぬ不調を見せていることが判明した。絶好調の楽天ペイに抜かれたばかりか、d払いにも抜かれて総合満足度は3位になっている。
PayPayと言えば参入時の大型キャンペーンの連発で、一躍QRコード決済シェア争いのトップに立った。しかし、最近はその得意のキャンペーンがどれも落ち着いたものばかり、一時期のような「バラマキ」キャンペーンが影を潜めている。キャンペーン目当てで使用を始めたユーザーからすれば、キャンペーンのメリットの弱まったPayPayに留まる意味はないだろう。
反対に調子を上げている楽天ペイとd払いの勝因は何だろうか。「楽天経済圏」の知名度と共に一気にユーザーを増やした楽天ペイの最大の魅力は、何といっても連携サービスによるポイントの取得だろう。自社ECサイトから、クレジットカード、さらには電気料金まで様々な自社サイトにユーザーを囲い込む戦略で、ポイント還元に敏感な層から高い支持を集めている。d払いの利点も同様に連携サービスの豊富さである。ECサイトはもちろん、電子書籍や、さらにはメイン事業である携帯電話まで、経済圏を徐々に形成しつつある。また、d払いに関しては昨年からお得な大型キャンペーンを次々に投入して、拡大を続けている。まさにPayPayのお株を奪うような戦略。PayPayとしては連携ポイントとキャンペーンの2本柱で攻められているだけに、まさにお手上げ状態か。
各社の戦いに加えて、さらに新規サービスも続々参入しているQRコード決済界。シェア争いはますます白熱してくるだろう。2021年はQRコード決済の業界シェアに更なる波乱が起きるかもしれない。
参照元:QRコード決済6サービスの総合満足度1位は「楽天ペイ」【MMD研究所】