クレジットカードの「楽天カード」が、新たな金字塔を打ち立てたことがわかった。なんと2020年の1年間に、カードショッピングで11兆円もの利用があったというのだ。途方もない数字でかえってその凄さがわかりづらくなっているが、年間10兆円を超えたのは国内初とみられる、という報道もあり、「日本のクレカ史上、1年間で最も使われたカード」となった可能性が高そうだ。
今回はそんな楽天カードの絶好調の要因や、この結果が私たちの生活に与えるかもしれない影響。さらにはこの先の心配な点などもお伝えしていきたい。
キャッシュレス化・コロナ禍が楽天カードの飛躍を後押し
楽天カードを発行している楽天カード株式会社は1月28日、「楽天カードの2020年度通期(1月~12月)のカードショッピング取扱高が11兆円を超えた」ことを発表した。さらにこの快挙が前年比20%超という驚異的な成長によって達成されたことや、会員数の伸びも順調で2020年11月に2,100万人を突破したことも合わせて伝えられている。
この11兆円という数字は、クレカ全体の利用額から見てもかなりの割合を占めている、と考えて良さそうだ。日本クレジット協会が発表した2019年のクレカ市場全体の信用供与額(消費者がクレジットカードショッピング等で利用した額のこと)はおよそ73兆円。過去の数字のため参考の域は出ないのだが、全体シェアの15%にあたる金額が楽天カード一社で使われたことになる。
楽天カードは、サービス産業生産性協議会の「顧客満足度調査」のクレジットカード部門で12年連続1位を獲得するなど、ユーザーから絶大な支持を得ているクレカであることはよく知られている。そんな強力な支持層を背景に、近年のキャッシュレス化の促進や2020年のコロナ禍におけるネット通販の需要増で一気に利用が伸びたのかもしれない。
また、楽天カードといえば日本有数の規模を誇る“楽天経済圏”の一員だ。楽天カードの業績が伸びることは、イコール楽天経済圏の成長も意味している。同じ経済圏に属するQRコード決済「楽天ペイ」や携帯キャリアの「楽天モバイル」にも好影響を与えてもおかしくないだろう。元々“おトク”というイメージの強い楽天グループのサービスが、これまで以上におトクを充実させてユーザー数の拡大を図り、さらに経済圏が発展する。という好循環が生まれる可能性も期待したい。
一方で楽天カードに懸念点があるとすれば、4月に行われるサービス改定だろうか。楽天カードのひとつである「楽天ゴールドカード」において、スーパーポイントアッププログラムの特典ポイントが、これまでの“+4倍”から“+2倍”に変更されるのだ。突然の下方修正に、ネット上などではユーザーから「改悪だ」という不満の声があがっている。これが今後、楽天カードのイメージダウンにつながらないといいのだが…。
2021年も外出自粛は続くとみられ、これからもネットショッピング等の巣ごもり需要は伸びていきそうだ。さらに、自粛が明けてもこれまで外食や旅行を我慢していた人々が一気に動き出せば、そこでもまたクレカの出番が増えることだろう。
“改悪”の影響を吹き飛ばすほどの好調な成長ぶりを見せることができるか。楽天カードの新たな挑戦が始まる。
参照元:楽天カード、2020年度通期カードショッピング取扱高が11兆円に到達【楽天カード】
※サムネイル画像(Image:rakuten-card.co.jp)