現在のスマホキャリア業界は、まさに生き馬の目を抜く戦国時代の様相を呈している。どこかが魅力的な値下げ新プランを発表したら、それに負けじと他社も同等以上のプランを発表。するとさらに他社からそのプランに対抗したプランが提示される。加えてメディアも新たなプランが出てくるたび大々的にそれを報じ、「このプランはどこがよい」「比較するとこちらが優勢」といった各社のポイントをユーザーに向けて発信するため、ユーザーもその情報を見聞きして新プランへの期待感を高めている状況だ。
今回は、そんな中で公開されたとある調査の結果から、今後のキャリア業界で劣勢に立たされるかもしれないサービスの存在をお伝えしていきたい。
乗り換え意向最下位はSoftBankのSoftBank on LINE
通信インフラサービスを取り扱っているALL CONNECTが1月に実施した「主要3キャリアの新料金プラン」をテーマにした意識調査によると、docomo・au・SoftBankの発表した新プランのうち乗り換え意向で1位となったのはdocomoの「ahamo」だった。現行のdocomo ユーザーを含めたうちの39.7%が、「乗り換えるならahamo」と回答したのだという。2位は30.5%でau「povo」、3社のうちの最下位となった3位にはSoftBankの「SoftBank on LINE」となり、支持率は25.7%と振るわなかった。
この調査で最下位となってしまったSoftBank on LINEは、グループのメインブランド・SoftBankの現行ユーザーの中では乗り換え意向が最も高くなったものの、サブブランドであるY!mobileでは僅差ながらもahamoに敗れるという不本意な結果となってしまったのだった。
このように調査結果で明暗が分かれた理由としては、新プランの“認知度”が影響している可能性も否定できない。実は同調査では「あなたは主要3キャリアの新料金プランを知っていますか」と、3大キャリアの新プランの認知度も測っている。その設問の結果を見ると、1位・ahamoは69.8%。2位のpovoも51.8%という一方で、SoftBank on LINEは唯一の過半数割れとなる43.1%となっていた。
この順位はまさに乗り換え意向の順位と一致する。もしかするとユーザーはSoftBank on LINEに対して、「知らないから乗り換え先の候補に入れていない」と考えている可能性もゼロではないのかもしれない。LINEモバイルを合併吸収したことで「LINEで使用される通信容量ノーカウント」という独自色の強いプランを打ち出しているものの、そればかりが先行して料金の部分が見えづらくなってしまっていたのだろうか…?
となれば今後SoftBank on LINEが取るべき手段はやはり「認知度の拡大」になるだろうか。幸いにも(?)ソフトバンクグループといえば、QRコード決済「PayPay」を業界後発ながら一気にトップクラスの認知度と業界シェアをもつサービスへと育て上げていった経験もある。テレビCMを多数打つなど、認知を広める手段はいくらでも取ることができるだろう。SoftBank on LINEの逆襲はこれから始まることになるのかもしれない。
参照元:【ALL CONNECT】
※サムネイル画像(Image:mcdm.ent.mb.softbank.jp)