ドコモ「ahamo」はおトクの限界値なのか!? まだまだあるスマホプランの改善点

ここ半年ほど目まぐるしく展開が変わり続けているスマートフォンの契約プラン。とくに2020年12月にドコモの新料金プラン「ahamo」が発表されたことで、楽天モバイルを含む4大キャリアがこぞって本気の値下げに動きはじめたとも見ることができる。たしかにこれまでのキャリア契約と比べると飛躍的に安くなった、格安スマホとも勝負できるレベルのプランが目白押しだ。しかしよくよく注意して見てみると、「この部分もっと変えればいいのに」という部分が目につくことにお気づきだろうか?
今回は、調査データから見て改善する余地があるにもかかわらず、キャリア各社が放置している“とある部分”についてご紹介していきたい。

新プランに欠けている「使用する通信量」の視点

現在の“おトク”なプランの数々は多くが大容量プランだ

 まず知っていただきたいのは、私たちが毎月どの程度の通信容量を利用しているかだ。近年はスマホで動画を視聴する人も多く、そうした人たちのために大容量プランが存在しているのはご存知のことだろう。しかし、スマホゲームをやったりWebサイトを見たりする程度であれば、動画ほどの通信容量を必要としないことはいうまでもない。

 リサーチ会社・MM総研が2020年2月に実施した調査によれば、日本のスマホユーザーのデータ通信量は月に平均6.94GBだという。しかしこれは前述したような動画を見るようなユーザーがかなり押し上げており、中央値(調査人数の真ん中の順位にあたる人の数値)では3.00GBに。この調査では、実に59.2%が3GB以下の通信量という結果が出たという。さらに7GB以下まで広げると79.2%と、ほぼ5人に4人が該当することが明らかとなっているのだ。

電車等で動画を見るユーザーにとっては大容量プランはありがたいものだが…

 では、3GB以下が約60%、7GB以下も約80%という事実を頭に入れたうえで現状のプランを確認していただきたい。話題のahamoは通信容量20GBで月2,980円。ahamoを強く意識したと思われるauの「povo」も、金額はahamoより少々下げているものの容量は同じく20GBだ。60%が3GB以下にもかかわらずこの設定。毎月17GBをドブに捨てろと言っているようなものだろう。
 3大キャリアのサブブランドに目を移してもY!mobile・UQ mobileでもプラン設定は3GB・15GB・25GBとなっている。狙ったように3GBを設定してくれてはいるのだが、その上のプランは15GBと、3GB以上7GB以下の20%のユーザーを置いてけぼりにしている感は否めない。さらに恐ろしいのは、通信量が超過した際の通信速度が3GBのプランのみ最大300Kbps(15GB以上のプランは1Mbps)に設定されていることだ。「基本的に3GB以下」という人でもたまには超過することもあるだろう。しかし超過時の300Kbpsという速度は、ブラウザでネットニュースを開くだけでも待ち時間が発生してしまうレベルだ。今後は「5G」の通信規格が普及し、ネットのコンテンツも大容量になっていくはずだ。300Kbpsでその世界に立ち向かっていくのには、かなりの忍耐が必要となってくる。もはや「遅すぎるから上のプランにしよう」と契約を見直すのを待っているのではと邪推したくなるほどの設定なのだ。

 キャリア各社が「これまでに比べてかなり安い」プランを次々と提示してくれているのはとてもありがたいことだ。しかしその中で、動画を見なかったり自宅や職場ではWi-Fi環境を使ったりしている“低容量で十分です”ユーザーが半数以上いることを知らないのか、見て見ぬふりをしているのか…。現在のプランで本当に喜べるのは少数派なのだ。

参照元:携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2020年2月時点)【株式会社MM総研

オトナライフ編集部
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