東京の地下鉄は「東京メトロ」と「都営地下鉄」の2社が乗り入れており、通常、この2社で別々に切符を買って乗り換えるとそれぞれに初乗り運賃がかかってしまう。だが「改札外乗換駅」で乗り換えると“乗継割引”が適用されるうえ、“最短経路”で運賃が再計算されるので大変お得になるのだ。しかも、改札外乗換駅なら一旦改札を出て60分以内に戻ればOKなので、ちょっとした買い物や食事を済ませることも可能となっている。そこで今回は、あまり知られていない東京の地下鉄のお得な乗り換え術について解説しよう。
「改札外乗換駅」での乗り換えは70円も得する!
東京都内の地下鉄は9路線の東京メトロ、4路線の都営地下鉄の2社が乗り入れているが、東京メトロと都営地下鉄間で乗り換える場合は「乗換割引」が適用されて70円引きになるのをご存じだろうか? 最近は交通系ICカードの「PASMO」や「Suica」などで乗車することが多いので、気付かない人も多いかもしれない。
この東京メトロと都営地下鉄間で乗り換える場合に、ぜひ覚えておいてほしいキーワードが「改札外乗換駅」である。「改札外乗換駅」とは、地下鉄の改札を一旦出てから違う路線に乗り換えても割引が適用される駅のこと。「改札外乗換駅」は浅草、日本橋、新橋、新宿三丁目などのほかに、駅名が異なる「淡路町・新御茶ノ水と小川町」「上野広小路・仲御徒町と上野御徒町」「秋葉原と岩本町」など全29駅が対象となる。
たとえば、都営新宿線「岩本町」から東京メトロ「早稲田」に行く場合、「岩本町-九段下」間は170円、「九段下-早稲田」間は180円なので、別々に切符を買えば計350円かかるが、乗継割引が適用されると70円引きの280円で済むのだ。
■東京で地下鉄を乗り換えるときの割引のポイント
【1】東京メトロと都営地下鉄の乗り換えは、駅名が異なる場合でも「改札外乗換駅」であれば「乗換割引」が適用され70円引きになる
【2】「改札外乗換」では実際のルートではなく“最短距離”の運賃が適用される
【3】「改札外乗換」の制限時間は60分なので、60分以内なら改札を出て買い物や食事をしてもOK(ICカードの場合)※切符の場合は乗り継ぎ時間制限はない
改札外乗換では“最短距離”での運賃が適用される!
もうひとつ、東京メトロと都営地下鉄の乗り換えで覚えておいてほしいのが「改札外乗換を行ったときは“最短距離”での運賃が再計算される」というルールだ。実はこれを利用すると非常に面白いことができる。
たとえば、普通に丸ノ内線で「大手町」から「新宿三丁目」を往復する場合は400円かかるが、復路に「改札外乗換」を利用して都営新宿線の「新宿三丁目」に60分以内で移動。都営三田線の「大手町」に戻ると「乗換割引」と「最短経路」が適用され、運賃がたった280円になるのである。つまり、今回紹介したルートの「最短経路」では、丸ノ内線「大手町」から「淡路町」へ、「淡路町」から都営新宿線の「小川町」に移動して「神保町」に、最後は都営三田線に乗り換えて「大手町」に戻って来たことになる。そのため、運賃は丸の内線の「大手町-淡路町」間が170円、都営地下鉄「小川町-大手町」間が180円で計350円。ここから乗継割引の70円が引かれて280円となるのである。このように「改札外乗換」を利用することで、丸の内線「大手町」と「新宿三丁目」を往復するよりも120円得したというわけだ。
切符の場合は「のりかえ用改札」利用が必須!
いかがだろか? 本来往復で400円かかる運賃が「改札外乗換」を利用することで最短経路が適用され、120円もお得になるのは驚きであろう。実はこのような例はほかにもたくさんあるので、自分で調べてみると面白い。もちろん、「改札外乗換」は一旦改札を出ると60分以内に乗り換え改札を通らなければならないため、ちょっとした食事や買い物程度しかできない。また、ICカードではなく、切符を購入した場合は「改札外乗換」の時間制限はないが、必ずオレンジ色の「のりかえ用改札」を通る必要がある。もし、のりかえ用改札以外を利用すると切符が回収されてしまうので注意しよう。
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※サムネイル画像(Image:kotsu.metro.tokyo.jp)