他社との差別化でユーザー獲得を目指す楽天モバイル

楽天モバイルは楽天グループ全体とのシナジーも期待できそうだ
ユーザー数が伸びた要因はやはり「Rakuten UN-LIMIT VI」の発表だろう。2020年のスマホキャリア参入当初から実施していた「1年間無料」も十分驚きに値するのだが、それはあくまで期間限定の話だった。しかしUN-LIMIT VIでは「1GBまで0円」という“常識をひっくり返す”恒常プランが登場。世間を大いにざわつかせた。
また2月に行われた楽天の決算発表では、会長兼社長の三木谷浩史氏が楽天モバイルについて「4位にとどまるつもりはない」と宣言。UN-LIMIT VI発表以降に申込数が増加したことや現在基地局の拡大が急加速している事実を挙げて、既存の3大キャリアを追い抜いていく姿勢を鮮明にした。
その意識が強烈に伝わってくるのがUN-LIMIT VIのプラン設計だろう。ドコモが新プラン「ahamo」を発表して以降加速度的に進む新プランの値下げ合戦だが、ユーザーが好みのオプションを選択できる“トッピング”や“LINEでのギガ消費無し”などで差別化を図ってはいるものの、実はどれも基本的には大差ない。「ユーザーの使い方に適したキャリアを選びましょう」といった雰囲気だ。
しかし楽天モバイルは“使ったデータ分だけ支払う”従量制のプランを設定している。1GB・3GB・20GBと設定された通信量を超えると料金が増加するシステムで、1GBまでなら0円という思い切った料金設定だ。明確な差別化をしつつおトクさを前面に押し出すことで3大キャリアの既存ユーザーの獲得を目指しているのだろう。
はたしてこの楽天モバイルの狙いは成功することができるのだろうか。キャリア4社のシェア争いの成果が見えてくる3月以降を楽しみに待ちたい。
参照元:今売れてるSIMフリーAndroidスマホTOP10、楽天モバイルオリジナル機種が1位・2位を独占【BCN+R】