人気音声SNS・Clubhouseはどう使われている? 世界では? 日本では?

日本において突如として音声SNS「Clubhouse」が流行り始めておよそ1ヶ月。急速な勢いでユーザーが増え続け、さまざまなメディアでも連日のように取り上げられるなど、まだまだその熱は冷めそうにない。そんななか、2月8日の夜に中国では当局によってClubhouseの利用が禁止された、というニュースが報じられた。検閲システムを回避し、タブーとされる話題も交わすことができるという理由で、中国では一気に人気に火がつき利用者が増えていた。
気軽な距離感で人との交流を楽しめると人気のClubhouseだが、国が変われば用途も変わる。さらに詐欺や出会い系など犯罪の温床になるのでは、と警告する人もいる。ただのアプリと思っていても、個人情報漏洩など思わぬことに巻き込まれることもあるかもしれない。さまざまなSNSが乱立する今こそ、SNSとの向き合い方、使い方を今一度考えておく必要がありそうだ。

中国では危惧していた通りClubhouseの利用が禁止に

(Image:rafapress / Shutterstock.com)

2020年3月にアメリカで生まれ、日本では2021年1月下旬から急激に広がった

 Clubhouseはさまざまなトピックを掲げた「ルーム」と呼ばれる部屋に自由にユーザーが出入りし、音声を聞いたり会話に参加したり交流することができるアプリ。中国では新疆ウイグル自治区の問題や香港の民主化デモ、台湾独立運動など、中国政府にとって不都合な話題が頻繁に取り上げられ多くのユーザーらが議論を交わしていたという。当然、ビジネスや投資、海外旅行など趣味に関する話題などを楽しむユーザーも多くいたが、政治的議論が活性化していたため、中国人ユーザーが危惧していた通りとなった。

 Clubhouseに限らずあらゆるSNSは、インターネットを介した人と交流するためのコミュニケーションツールだ。そのツールをどう使うのかは、ユーザー次第である。音声に特化し、記録が残らないという点が特徴的なClubhouseは、世界中で政治的議論や学びの場、ビジネスや趣味を通じた交流の場ともなっている。
 またアーティストや有名人のユーザーも多いため、無料で参加できるライブイベントとしてエンタメ的な利用も少なくない。自由度が高く、気軽に交流を楽しむことができるだけでなく、既存のSNSとはまた違った使い方、楽しみ方ができるところも人気の理由のひとつと言えるだろう。

 本国アメリカでは2月4日にマーク・ザッカーバーグがClubhouseに現れたことで、大きな話題を呼び注目を集めていたが、主に討論や有名人のトークショー、DJイベントなどが多いようだ。国によってもさまざまに使われ方が変わり、今後も新たな使われ方が始まり、独自に進化していくのかもしれない。

見知らぬ人でも直接会話することで親近感が沸き、信用しやすくなる

 そんなさまざま可能性を秘めたClubhouseだが、そこに潜むリスクについても知っておかなければならない。簡単に人と出会える場所であること、音声のみで証拠が残らないことなどから、犯罪や詐欺の温床になってしまうのでは、という危険性だ。規則上、18歳未満は利用できないことになっているのだが、実際に多くの中高生が既に利用しているのが現状。ユーザー本人にそうした意図は無くても、個人情報の漏洩や誘拐・性犯罪など、知らぬ間にトラブルに巻き込まれてしまう恐れは大いにある。アメリカでも言葉の暴力やヘイトスピーチ、差別問題などが問題となっている。
 
 今後、アプリ側でも問題に対する規制が追加されていくだろうが、それがどこまで抑止力となるかは現時点では未知数だ。世界中でリアルタイムで膨大な会話が交わされるなかで、それらを管理するのは至難の技だろう。人と簡単に出会い、繋がれる、ということは素晴らしいことである反面、リスクも大きいということを忘れてはならない。その上でその便利で素晴らしいツールを自分なりにどう活用していくのか、一度じっくり考えてみるべきなのかもしれない。

参照元:中国、検閲回避で人気の交流アプリ「クラブハウス」の利用禁止【AFPBB News】

オトナライフ編集部
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