現在スマホキャリアを中心に進む値下げ競争だが、格安スマホ業界だって負けてはいない。とくにその流れの中心にいるのは、「b-mobile」を提供する日本通信だ。なんと発表直後に世間から大絶賛を浴びたドコモの「ahamo」等より3分の1も安いプランを打ち出したのだ。現在ahamoは新プランの中でも最もユーザーから支持を集めているだけに、そこに対抗していく気概には格安スマホ業界のプライドを感じざるを得ない。
今回は、日本通信が進める“vsキャリア”の戦いについてお伝えしていきたい。
スマホ業界の値下げを牽引するのはキャリア? 格安?
2020年末頃から始まったスマホ料金の値下げの動き。ドコモのahamoをはじめ、auは「povo」、SoftBankも「SoftBank on LINE」。トリは1月末に楽天モバイルが「Rakuten UN-LIMIT VI」をそれぞれ発表し、4大キャリアの新プランが出そろった格好だ。中でもahamo・povo・SoftBank on LINEは、ほぼ同一ラインの20GBで2,980円(povo は素の2,480円に電話5分かけ放題500円をトッピングした数字)と、図ったように足並みが揃えられていた。
そんなキャリア3社の新プランの普及に待ったをかけたのが格安スマホの日本通信だ。日本通信は2月10日、「3者同一価格プランに対抗して、『合理的20GBプラン』」を提供開始するというプレスリリースを発表した。日本通信は、キャリア業界の「20GB/2,980円」というプランに対し、料金を33.5%抑えた「20GB/1,980円」のプランで立ち向かうという。この金額は3社と差別化を図った従量制の楽天モバイルと比較しても20GBまでの料金と同一だ。楽天モバイルが現在自社の基地局の増設を続けている点をふまえると、ドコモの回線を使い全国どこでも使いやすい日本通信に分があると考えることもできるだろう。さらに日本通信のサービス開始日は2月18日と、3月や4月から開始する4社よりも先んじての行動に移った。
「3者同一価格プランに対抗して」など、プレスリリースの文面からもキャリア各社への対抗意識を鮮明にしている。日本通信はこれまでにもドコモがahamoを発表した翌日に「ドコモの新料金への対抗プラン投入を決定」「MVNOの代表として対抗プランを投入」と即座に対抗姿勢を打ち出していた。ドコモの回線を使っているにもかかわらずドコモに対してもライバル意識を隠さないところが、日本通信のすごいところだ。
インフラ会社・ALL CONNECT の調査によれば、ahamo・povo・SoftBank on LINEのうち最もユーザーの乗り換え意向が高かったのはahamoだった。全体の37.9%が「ahamoに乗り換えたい」と回答、既存のドコモユーザーに限れば55.3%と半数以上が乗り換え意向を示したという。
そんな“好感度の高い”プランと比較して日本通信の新プランはユーザーからどのように評価されるのか。今後の市場動向にも注目していきたい。
参照元:日本通信、3キャリア対抗の20GBプランを33%減で2月18日に提供開始【日本通信】