ここ数ヶ月でスマホキャリア各社の料金が一気に値下がった。正直なところ「じゃあこれまでの金額は何だったんだ…?」という気がしないでもないのだが、安くなることに関しては喜ぶべきことなのは間違いない。となると次は楽天モバイルを含めたキャリア4社の新プランの中から自分に合った条件のプランを選ぼう…とすると今度は別の問題が浮上してくることにお気づきになるだろうか。
今回は、新プランでもいまだに残るスマホ契約の“悩みどころ”をご紹介していきたい。
ドコモ「ahamo」は“安価”で“シンプル”なプランを提案も後続は…
2020年12月にドコモが新プラン「ahamo」を発表して以降、キャリア業界に値下げ競争の波が訪れた。各社とも他サービスとは違う独自の付加価値をつけようと躍起になっている。
先鞭をつけたahamoの武器は、「20GBで2,980円のプランだけ」というシンプルさ。これまでスマホのプランで盛り込まれることも多かった各種割引サービスの数は少なめとなっているが、ユーザーが迷う余地を無くした画期的なシンプルプランだ。
続いて登場したのは年明けにauが打ち出した「povo」。こちらも「20GB・2,480円」というシンプルさを持ちながら、「5分以内通話かけ放題」「データ使い放題24時間」等、ユーザーの使い方に合わせて“トッピング”ができるというカスタマイズ性が特徴だ。
SoftBankの「SoftBank on LINE」は、なんといっても「LINEギガノーカウント」とLINEモバイルを合併吸収した強みを最大限に活かしたプランとなっている。
4プランの中で最後の登場となった楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」は、使用した通信量によって料金が変動する従量制を採用。「1GBまで0円」という思い切った料金設定が大きな話題となっている。
さらに各社とも「PayPayボーナス」や「dポイント」といった各グループのサービスで利用できるポイントを獲得できるキャンペーンも実施しており、各経済圏のユーザーにとってありがたい施策も用意されているようだ。
しかし差別化要素があるのはよいことなのだが、多くの選択肢の中からひとつを選ばなければならないユーザーからすると“選びやすさ”も重要になってくるだろう。企業としても、独自色を出しすぎるあまりプランが複雑になってユーザーから敬遠されてしまっては本末転倒と言わざるを得ない。国もauのpovoの発表後、“トッピング”として機能を分離することで他プランより安く見えるような条件設定について総務省の武田大臣が「非常にまぎらわしい」「利用者がわかりやすい・選択しやすいやり方を求めてきた」と指摘している。
合わせて武田大臣は「大事なのはユーザーが自身の求めるかたちで利用できているか、求めているプランかを自己検証すること」とも述べている。わかりにくい料金形態が続く限りユーザーは自己検証をしても何かしらの抜け漏れが出てきてしまうだろう。スマホ業界が真にユーザーのためを思うのなら、これまでの“値引きマジック”で安さを誇張していた過去を見直し、プラン内容のシンプル化も進めていっていただきたいものだ。
参照元:携帯4キャリアの低料金プラン! 最安は楽天でも、対応エリアは要チェック【BCN+R】
(※2021/2/19 記事の一部を訂正いたしました)