昨今世界中で人気を集めるFacebookが、音声チャットサービスを計画予定だと米紙ニューヨーク・タイムズ電子版が報じた。開発初期段階だという同サービスは、音声SNSアプリ「Clubhouse」ブームに乗っかり、まるでClubhouseに対して宣戦布告するかのようなタイミングでの報道だ。従来のテキストでのSNSスタイルから音声をメインとしたスタイルへと変貌するとなれば、アプリ公開を発表した時期も重なり現在Clubhouseを利用しているユーザーの参入も見込めるだろう。多数のSNSサービスが乱立し世の中を席巻している今、Facebookが音声チャットサービスをローンチさせた暁には、乱世を生き抜くための原動力とできるのだろうか。
SNS乱立によるサバイバル合戦、決着はいつ?
そんなFacebookのCEOのマーク・ザッカーバーグ氏は先日、Clubhouse上の番組に予告なしに登場。テレワークの普及によって変化したワークライフの中に、VRやARの技術がテレワークの範囲を拡張できるのかどうかを話した、とウェブサイト「Business Insider」が綴っている。テレワークに仮想・拡張現実の技術がいま以上に導入されるようになれば、現在行っているWeb会議等もバーチャル空間の中で実施できるようになり、今まで以上に対面でのやりとりに近い状況になるはずだ。ARやVRは、現在のWeb会議サービスをさらに現実味あふれるシステムへと昇華していく技術として期待されている。
Clubhouseではザッカーバーグ氏以外にも、スペースXやテスラで知られるイーロン・マスク氏も登場したことでも話題を呼んでいる。マスク氏は火星や多惑星種、一部のコミュニティの流行がSNSで爆発的人気に広がるインターネットミームといったさまざまな題材を取り上げていた。
現在、世界をけん引する企業のトップがこぞってClubhouseを使用している状況を、「Clubhouseの人気に便乗しているようにしか見えない」と感じる人もいるのではないだろうか。たしかにClubhouseの注目度を利用している部分はあるかもしれないが、逆に自身の知名度によってネットニュースになりClubhouseの価値を高めている面もあるだろう。そうした様々な打算的な部分が見え隠れすることもありザッカーバーグ氏の出演の裏側を勘ぐる人々が後を絶たず、ネット上では「買収か」という憶測すら飛び交っている。
現在は日本のみならず世界的に大流行しているSNSサービスは片手では数えきれないほどに膨れ上がっている。“SNS戦国時代”とも言える状況の中で、サービスの命運を握るCEOの一挙手一投足に注目が集まってしまうのは仕方のないことなのかもしれない。生き残りを賭けたFacebookの次の一手に、世界中の視線が注がれている。
参照元:FB、音声SNS開発中「クラブハウス」対抗か【中日新聞】