ソフトバンクが新たな改革に乗り出した。AndroidスマートフォンとiPhoneの物理SIMカードを、どちらでも使えるようにする、と発表したのだ。現在ソフトバンクで使用している物理SIMは、AndroidスマホならAndroidスマホのみ、iPhoneならiPhoneのみでしか使えないという制約がある。しかしこの問題点を解消し、ユーザーの利便性を向上させることを狙っているようだ。
今回は、ユーザーファーストの変化を続けるソフトバンクについてお伝えしていきたい。
ついにソフトバンクでもOS共通のSIMカードを導入
“SIM統一”の話が飛び出したのはソフトバンクが提供する新ブランド「LINEMO」の発表会でのこと。現在ソフトバンクの抱える携帯電話事業ではメインブランドやサブブランド内で複数種類の物理SIMカードが用いられている。そのためAndroidスマホからiPhoneに乗り換えたり、その逆をしようとする際にSIMの使いまわし等が困難になっているとして、これまでもユーザーから不満の声が挙がっていた。またドコモやKDDIといった他キャリアでは、一部条件もあるものの基本的には使いまわしができるという事実も、「なぜソフトバンクだけできないのか」といった不満がユーザー内で渦巻いていた様子もうかがえた。
今回ソフトバンクは、そうしたSIMの現状について「課題として認識している。解決する方向で準備を進めている」と言及。技術的な面もあり開始時期については明らかにしなかったものの、対応する姿勢を伝えた。
2020年頃から、スマホ業界はさまざまな面でユーザーに対する態度を大きくあらためている。よく知られている部分では、LINEMOをはじめとした新プランによりこれまでよりかなりの値下げを敢行したことがあるだろう。さらに「携帯電話番号ポータビリティ(MNP)」でも、これまで設定されていた事務手数料を各社とも無料にする方向で現在動いている。まさにユーザー一人ひとりが自分にとって一番使いやすいプランを選べる体制が整ってきていると言っていい状況だ。そこにAndroidスマホとiPhoneの切り替えもしやすくなるとなれば、その体制の自由度がさらに向上することになりそうだ。
新プランが本格稼働をはじめる3~4月からは、これまでにないほどプラン間・キャリア間でのユーザーの移動が活発化することが予想される。“SIM統一”の改革によって、ソフトバンクへの流入が増えることはあっても、不満に思って流出するデメリットにはならないだろう。こうした改革がさらに進んでいけば、現状を不満に思っていたユーザーを思い留まらせる効果も期待できる。
個人的な希望を言えば、現在業界でも有料・無料のプランが分かれている“テザリングサービス”を全社で無料としていただけると嬉しいのだが、それはまだ先になりそうだ。
参照元:ソフトバンク、「iPhone」「Android」異なるSIMは統一へ【ケータイ Watch】