マイクロソフトがCSR活動の一環として毎年発表するサステナビリティ・レポートの2020年版が話題となっている。なんとゲームの「マインクラフト」のマップを使っての発表に挑んだのだ。「Sustainable City」と名付けられた同マップは、クリーンエネルギーやリサイクルといった環境問題を解決に導く場所に構成され、ゲーム上で歩き回ったりバーチャル見学をしたりすることも可能だという。
ゲーム中で行うスーパーマーケットやゴミ処理場、リサイクル工場の見学を通して、よりよい環境を築く仕組みを学ぶことができるのだ。近年世界的に関心が高まっている持続可能な開発目標「SDGs」に関連付けた世界となっているため、子どもも大人も分け隔てなく環境問題にも意識を向けながらゲームを楽しむことができそうだ。
ゲームを通してサステナブルな世界を体験
マインクラフトとは、オリジナルの世界で建物を築いたり、探検して採掘したり、戦ったりとオールマイティに冒険できるゲーム。2013年頃から世界的な人気を博すようになり、その後プログラミングや情報教育の一環として日本国内でも一部の小学校や中学校で教材として利用されている。
現在は教育版マインクラフトも開発され、ゲームとして遊びながら勉強を楽しめるため世界各地で人気を誇っている。また、新型コロナウイルスの影響からユーザー数が増え、マインクラフトを開発したスウェーデンの企業「Mojang」による発表によると、2020年10月時点では月間アクティブユーザー数が1億3,100万人を超えていたようだ。世界中のすべての国や地域でプレイされているため、その人気の高さがうかがえるだろう。さらに今回の「Sustainable City」発表により、マインクラフトから環境問題に興味を持つ子どもが増えることが期待できるだろう。
新型コロナウイルスの影響で対面のコミュニケーションが減少した近年、オンラインでのコミュニケーションが当たり前になってきたことは読者のみなさんも肌で感じていることかと思う。そんな現状で余暇を楽しむゲームでも、ゲームのインタラクティブ(双方向性)の部分が重要視されてきている。
最近では任天堂のオンラインゲーム「あつまれ どうぶつの森」上で当時大統領選の真っ最中だったアメリカのバイデン大統領が選挙本部を開設し、ゲーム内に自分の看板を設置したことが世界的なニュースとなった。
これらマインクラフトやどうぶつの森の事例のように、新型コロナウイルス影響下でも様々な業界でエンターテイメントを有効活用したPR方法が生み出されてきている。政治や経済、環境問題などに興味関心が少ない人が、ゲームの世界で気軽に触れる・学べるシステムは今後の世の中のスタンダードになってくるかもしれない。今後のマインクラフトの進化にも注目していきたい。
参照元:マイクロソフトが『マインクラフト』でサステナビリティ・レポートを発表。若者との接点は「ビデオゲーム」が主流に?【AMP(アンプ)】