ノーモア・サグラダファミリア!? LINEとみずほ銀行のコラボに垂れ込める暗雲

LINE Financialとみずほ銀行がタッグを組んだ新たな“スマホ銀行”が、2022年の設立を目指していることがわかった。コミュニケーションアプリ「LINE」ですべての銀行サービスを完結できるというコンセプトは、LINEが普及している現代においては大きなアドバンテージとなることは間違いない。しかしこの銀行、誕生前から少々心配な点が浮かび上がってきている状態で…。
今回は、LINEとみずほ銀行から生まれる新たな銀行の今後について考えていきたい。

LINE上で利用可能な“スマホ銀行”!

(Image:Karolis Kavolelis / Shutterstock.com)

日本屈指の大銀行・みずほ銀行が国民的アプリとタッグを組んだ

 話題として取り上げる“スマホ銀行”は、LINE Financial株式会社・株式会社みずほ銀行が共同で立ち上げる銀行になるという。この銀行は、月間利用者数8,600万人を超えるユーザーを抱えるLINEのもつUI/UXとみずほ銀行の銀行業のノウハウを結集し、LINEアプリ上ですべての銀行サービスが完結する他にはない強みをもつ“スマホ銀行”になるとされている。近年はネット銀行も一般的となってきたが、それでもなおLINEという多くの消費者が使っているアプリを介してサービスを受けられることの利便性は想像に難くない。

 これだけ聞くととても期待感の高まる話なのだが、少し引いた目で見ると気になる点がいくつかあるのだ。
 今回発表された内容では「2022年度中の新銀行の設立を目指して準備を進める」とされているのだが、実はこの話が立ち上がった時点では2020年度の開業を予定していたのだ。いくら2020年がコロナ禍だったとはいえ、計画が遅延している印象はぬぐえない。さらに今発表で、LINE Financialとみずほ銀行が共同で設立した「LINE Bank設立準備株式会社」の経営体制の変更も伝えられている。この段階で経営陣の入れ替えとなると、迷走していると受け取らざるを得ない。

(Image:Peter Austin / Shutterstock.com)

LINEアプリは日本でもトップクラスのユーザー数を誇るアプリだ

 みずほ銀行といえば、近年システムの統合で非常に苦戦していたことを思い出す読者も少なくないはずだ。“IT業界のサグラダファミリア”と揶揄されるなど、周囲からいろいろな意味で注目を集めていた。加えてつい最近も、2月28日に全国のATMで挿入した通帳やキャッシュカードが取り出せなくなるトラブルが起きたばかり。こと、システム面で多数の“前科”があるだけに不安が拭えない。
 また、LINEもLINEモバイルが吸収合併されるなど、ソフトバンクグループとのつながりを深める変化を遂げている最中だ。異なる融合を同時に行うLINE側も、みずほ銀行とのコラボレーションにどこまで積極的なフォローができるのだろうか…。

 ここで誕生する銀行が、新たなサグラダファミリアにならないといいのだが…。次こそは2022年度という目標を達成できるのか。用心しながら見守っていきたい。

参照元:LINE×みずほのスマホ銀行、2022年設立へ。スマホのメインバンクに方針転換【Impress Watch

※サムネイル画像(Image:Karolis Kavolelis / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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