もしあなたがiPhoneユーザーなら、今すぐに安全性を確認した方が良さそうだ。2月に米アップル社はハッカーから活発な攻撃を受けていることを明かしていたが、そこで狙われたのと同じ脆弱性を利用して、あるハッキングチームが最新機種を含むほぼすべてのiPhoneを“脱獄”することができる新しいツールを発表した。
iPhoneのセキュリティは問題ないのだろうか?そもそも脱獄ツールとは何なのか?知っておく必要があるだろう。
iPhoneの“脱獄”とは? 知っておきたいリスク
そもそもiPhoneの“脱獄”とは、アップルがiPhoneにかけている操作性のロック(制限)を解除すること、をいう。これにより、アップル非公式のアプリを利用することができるようになったり、iOSを辞めAndroid OSをインストールすることができるようになったり、ユーザーが自由にカスタムすることが可能になるのだ。
だが当然、これはアップルの規約に違反する行為で、脱獄された端末は公式サポートを受けることができなくなる。さらには端末に不具合が出る可能性が高くなったり、何よりも悪意ある攻撃に対し脆弱になってしまう、というセキュリティ上の恐ろしいリスクを伴うものなのだ。
今回狙われたiPhoneの脆弱性に関して、アップルは2月にリリースしたiOS14.4ですでに修正を行っているため、それ以降のバージョンでは問題の脱獄ツールは作動しないようだ。
今、私たちが持っているスマホにはとても重要な情報がぎっしりと詰まっている。だからこそセキュリティは常に万全の状態であることが望ましい。私たちのデバイスを守るために忘れてはならないことは、簡単だ。常に最新のOSに更新しておくこと、だ。iPhoneユーザーならば、2021年3月現在、iOS14.4が最新のものである。今一度、確認をしてほしい。
iPhoneは年々進化し続け、さまざまな新機能が搭載されている。iPhoneユーザーの中には、そうした機能に魅力を感じてAndroidスマホではなくiPhoneを選んだ人も少なくないはずだ。それであれば、わざわざ恐ろしいリスクを背負ってまで“脱獄”する必要はないだろう。
もちろん、ハッカー集団とアップルのセキュリティを巡っての戦いは、これで完結するわけはなく、今後もイタチごっこは続いていくことだろう。私たちはその情報をしっかりとキャッチしつつ、提供される最新のセキュリティーで身を守っていかなければならない。
参照元:ハッカーがほぼ全モデルのiPhoneに有効な新しい脱獄ツールを公開【TechCrunch Japan】