東京ドームに「顔パス(顔認証システム)」で入れる? 顔が盗まれる懸念はないの?

近年、指紋や顔、静脈、虹彩、音声などによる生体認証技術が進み、さまざまな場面で鍵やパスワードの代わりに生体認証による本人確認が利用されるようになってきた。なかでも、新型コロナウイルスの流行を背景に、世界中で急速に広がっているのが顔認証システムだ。
日本でも先日、パナソニックが株式会社東京ドームなど3社と協業し、東京ドームにおいて顔認証を利用した入場や決済サービスなどの実証実験を開始した。今後は私たちの生活の当たり前になっていくのか、そのメリットやデメリットともに考えたい。

広がる顔認証、進むオンライン、キャッシュレス化

急成長している顔認証市場だが、課題も多い

 現在パナソニックは株式会社読売巨人軍など3社と協業し、顔認証の技術を用いた実証実験を東京ドームにおいて行っている。入場の際の本人確認だけでなく、飲食物やグッズ等の買い物時の決済にも顔認証を利用し、完全キャッシュレス化を導入。これは2022年シーズンからの本格導入に向けたトライアルで、入場等待ち時間の軽減や、接触機会の低減による感染症対策、チケット紛失やなりすまし等のリスク低減が狙いだ。
 パナソニックの進化した顔認証技術は、顔の経年変化やメガネ、マスクなどに影響をうけにくく、マスク必須の現在であっても、アミューズメントパークやオフィスなど幅広く利用されている実績があるのだという。
 サービスを受けるためには利用者は事前に顔画像を登録することが必須となる。あらゆるもののオンライン、キャッシュレス化が進んでいる。デジタル化により、高齢者らがエンタメから遠ざかってしまわないような配慮も今後は必要となってくるだろう。

激しい技術開発競争のなかで、高い精度とスピードを誇る、最新の顔認証システムが開発されている

 空港での出入国や金融機関のATMだけでなく、身近なところではスマホなどデバイス類や住宅玄関の解錠などにも利用されるようになった生体認証。そのなかで顔認証が広がっているのは、他の生体認証に比べてメリットが多く、デメリットが少ないからだ。顔は常に露出しているため認識しやすく、非接触での遠距離認識も可能。専用の読み取り装置も不要だ。デメリットとしては指紋などに比べデータサイズが大きいことくらい。とくに東京ドームのように大勢を一斉に認識する場合、有効な本人認証なのだ。防犯対策として商業施設や街中の防犯カメラに顔認証システムの導入は今後も進んでいくことだろう。

 一方で利用者として気になるのは、プライバシーとセキュリティの問題だ。知らぬ間に顔認証システム網が張り巡らされた街で暮らすのは居心地が悪い。近年世界で問題になっているように、監視社会への懸念も存在する。また日常生活ではもちろん、今や多くの人がSNSによって世界中に晒していることになる“顔”という情報。その顔が盗まれることはないのか。万が一情報が流出してしまった場合、パスワードなら変更が可能だが、顔は変更することができないため、生涯リスクを抱え暮らすことになるかもしれない。

 もちろん偽造や悪用を防ぐ高い技術が開発されているからこそ、普及しているシステムではある。利用者としてもメリットは多い。だからこそ、システムを提供し、データを管理する側の徹底した安全対策、管理が求められている。

参照元:パナソニック、東京ドームで顔認証を活用した実証実験を開始 “手ぶら決済”などを検証【クラウド Watch

※サムネイル画像(Image:YAO23 / Shutterstock.com

オトナライフ編集部
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