総務省の発表によると、5G向けの新たな周波数の割当に対して、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4社が申請したことが判明。5Gのシェア争いが激化している様子が見て取れる。
今回はそんな新規周波数の獲得を悲願としている“ある通信キャリア”について、迫っていく。2021年、3大キャリアが4大キャリアに変わるかも?
2018年には見向きもされなかった、周波数が大人気コンテンツに
総務省の発表によると2月12日~3月15日の期間、5G向けの新たな周波数として「東名阪以外での1.7GHz帯」割当への申請を受け付けたところ、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの4社の携帯キャリアから申請が集まったことが分かった。今後の総務省による審査を経て、割当先が正式に決まることになる。
今回新たに割当の対象となる「1.7GHz帯(20MHz幅×2)」は、2018年にも募集が行われたが、当時は申請企業の表れなかった周波数。2年あまりの月日が流れ、5Gの導入が本格化する中で、地方での5Gの早い展開を目指して各社参入を決めた模様だ。
各社は、それぞれ「開設料」を提示したうえで申請を行っているが、金額だけで割当の可否が決まるわけではなく、サービス内容など総合的な面を加味して審査が行われる模様だ。
とはいえ各社の値付けは、割当先が決まった際には明らかになる見通しと言われている。各社の金額を見れば5Gへの本気度が一目でわかることになるだろう。
注目すべきは楽天モバイルの本気度だ。昨年度には、3大キャリアに対して、「プラチナバンド」(700MHz帯~900MHz帯の電波のつながりやすい周波数)等の既存周波数の再配分など、競争の平等を訴えた楽天モバイル。現状、後発というハンデと共に、電波争いでも不利な争いを課せられていることが多くの人に伝わった。今回の新規周波数に関しては是が非でも獲得したいところだろう。その分、他社を圧倒する大型金額を提示している可能性も十分考えられる。楽天モバイルの開設料に注目したい。
過去には、2012年に同じような「新規周波数の割当」の際に、後発サービスであるソフトバンクが総務省から獲得した実例も。ソフトバンクにしてみれば、この周波数獲得を機に先行する他社と通信品質で肩を並べることとなり、その後の“大手3社”と言われるまでの躍進につなげた。楽天モバイルとしても、大手3社を今後、“大手4社”と変えていくような飛躍の機会となるかもしれない。
大型キャンペーンや攻めた料金プランを発表し続ける楽天モバイル。さらに5Gという武器を手に通信面の不安を解消することができれば、いよいよ大手キャリアの仲間入りか。もしこの周波数帯を獲得できれば、今年は楽天モバイルの年になるかもしれない。
参照元:5G用の「東名阪以外での1.7GHz帯」にドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天が立候補、「開設料」が初めて比較項目に【ケータイ Watch】
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