LG、スマホ事業撤退目前か? 1月発表の新機種開発が暗礁に乗り上げた理由とは

韓国・ソウルに本社を構える家電大手のLGが「スマートフォン事業から撤退する」という噂がまことしやかにささやかれている。1月末には、スマホ製造をはじめとした事業について縮小や売却、維持などの運営方針を検討中という報道も大きな注目を集めていた。しかし、現状はスマホ事業では具体的な打開策が講じられているとは言い難く、撤退する可能性が濃厚であると韓国メディア・東亜日報が伝えたという。スマホ事業で競合となるサムスンやアップル、ソニーなどスマホ戦線に後れを取ったようだ。

売却予定が白紙に?

(Image:JPstock / Shutterstock.com)

他社とは違う個性的なスマートフォン製品だったがコアなファンにしか響かず

 東亜日報の報道によると、今回のスマホ事業の運営方針について、ベトナムの大企業等複数の候補が売却先になるという話も出ていたという。しかし売却交渉は難航し、売却先を見つけることができないため撤退の見解が有力になった格好だ。

 LGはモニターやテレビに搭載されるディスプレイ性能の高さが持ち味の企業。映像の美しさはもとより、カメラの性能も高い。ディスプレイやカメラの技術をスマホに落とし込みスマホ事業に参入することで、LG製品を世に広めていた。

TVや家電に強いLG、スマートフォン事業の利益は赤字に

 しかし今回事業の再検討の必要性に迫られた結果、LGの次期フラッグシップスマホとして関心を寄せられていた「LG Rainbow」やディスプレイの大小を変更できる巻き取り式のスマホ「LG Rollable」といった、2021年上半期に発売予定だった最新スマホの開発も事実上中断しているという報道もある。巻き取れる画面という、折りたたみ式スマホの対抗馬となり得る期待の新型機も暗礁に乗り上げてしまったのだった。
 とくにLG Rollableは、1月にオンライン開催された世界最大級の家電・技術の見本市「CES 2021」で開いた記者会見の中でお披露目されたばかり。ディスプレイに強いLGだからこそ実現できる、折りたたみスマホの対抗馬となり得る存在として期待されたほどだった。しかしそんな画期的なスマホに熱い視線を送るスマホファンの期待は、打ち砕かれてしまうのかもしれない。

 「液晶パネルメーカーの世界売上高ランキングの分析(2020年版)」によれば、2019年の液晶パネル業界の世界シェアは、1位・サムスンディスプレイ、2位・LGディスプレイと韓国の2社がワンツーをはたしている。しかしスマホ事業に目を転じると、LGのスマホ事業は「過去5年間で累積赤字が約5兆ウォン(約4,809億円)」と聯合ニュースなど韓国メディアが報じている。昨今のスマホメーカーの増加に伴ってライバル企業が増えたことで、LGスマホの世界シェアは伸び悩んでいた模様だ。
 一方の液晶シェアトップのサムスンはスマホ市場でも毎度上位だ。アメリカの調査会社「Gartner」が2月に行った調査によると、スマホシェアではアップルに続きサムスンが2位。完全に明暗が分かれたかたちとなった。LGのスマホ事業撤退が現実味を帯びてきた今、これからのLGの各種製品の市場動向が気になるところだ。

参照元:LGがモバイル事業から撤退か、4月上旬に方針決定との韓国報道も【Engadget 日本版

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