ユーザーの期待値が大きかったはずのドコモの新プラン「ahamo」が、その期待値を利用するかたちで不誠実な契約に利用されていた可能性が浮上している。これは単なる偶発的なトラブルでなくドコモ内で組織的に行われていたかもしれないというのだから、期待していたユーザーにとってそのショックは計り知れないものがあるだろう。事実ネット上からは、大小さまざまな批難の声が続出している。
今回は、新プランで好感度を高めたはずのドコモが陥った、殿様商売体質のツケについてお伝えしていきたい。
“アハモフック”で不誠実な勧誘をしていたというスクープ
ahamoといえば携帯料金値下げの気運が高まる中、ドコモが3大キャリアの中で先陣を切って打ち出した値下げプランとして高い評価を集めていた。そんな世間的に“よいプラン”という評価が定着しているahamoだが、今回東洋経済オンラインが報じたのは、「ahamoをお得な“餌”として利用し契約を迫った」というものだ。
報道によれば、ahamoに興味のある他社ユーザーに対し「ahamoはまだ受付を開始していないが、いまのうちにドコモの『ギガホ』に乗り換えておくと楽だ」と案内したのだという。さらにこの手法はその営業マンが独自に生み出したものではなく、ドコモが代理店に配布する内部資料の中でマニュアル化され「アハモフック」という呼び方まで定着していたという。
東洋経済では「景品表示法違反にあたる典型的なおとり広告だ」とする同法に詳しい弁護士の見解も示しており、ミスやシステムトラブルではなく組織だった違反行為であった可能性を指摘していた。
これまで誠実な“ユーザーのためのプラン”を提示していたと思われていたドコモが、その裏で信頼を裏切るような行為をしていた、とするスクープにネット上も敏感に反応。「ドコモ主導とかコンプライアンス違反すぎて開いた口がふさがらない」「消費者はただの金づるとしか思っていないことがよくわかる。こんなやり方をしていたら結局いつか客は離れていく」と、かつての“殿様商売”をしていた頃のスマホ業界のイメージと重なり、ユーザーの信頼を損ねている様子が如実に伝わってきている。
さらに「スーパー・ショッピングモールでahamoの勧誘をしているところを見た」という報告も多数投稿されており、もはや全国規模で信頼を裏切る行為を行っていた可能性すら浮上していた。
ahamoは3月26日にサービスがスタートした。しかし事前の申し込みが殺到しすぎていたのか、前日25日になって唐突に「先行エントリーキャンペーン」の対象者の枠を広げたり、MNP受付を一時中止したりといったトラブルも発生している。
ドコモは29日になって、「【重要】『配送時期』および『お申込みに関するご注意事項』について」というお知らせを発信。ドコモの想定していた以上の申込みがあったため、トラブルが発生してしまっていることを明かしている。それだけの申込みがあるのならば、「アハモフック」などという姑息な手段がなくともその地位は安泰なのではないだろうか…。このニュースが、ahamoの契約数の鈍化につながらないことを祈りたい。
参照元:ドコモ、「アハモでギガホ勧誘」景表法違反か【東洋経済オンライン】