スマホのワイヤレス通信「Wi-Fi」「Bluetooth」「NFC」ってどう違うの?

ahamo、LINEMO、povoなどの登場で、スマートフォン(以下スマホ)の料金が劇的に安くなっている。そこでキャリア乗り換えのタイミングでスマホも新しく購入しようと思っている人も多いのでは? でも、最新のスマホを選ぶとき、「難しいカタカナや英語の用語がいっぱい出てきて何がなんだかよく分からない!」という人もいるハズ。そこで今回は、スマホのワイヤレス通信規格「Wi-Fi」「Bluetooth」「NFC」について、初心者でも理解できるように解説したいと思う。

Wi-Fi接続ならデータ量を気にせず動画も見放題!

スマホは、電話やネット接続以外にも様々なワイヤレス通信手段が搭載されている。そのため、新しくスマホを購入するとき、カタカナや英語表記の難しい用語がたくさん出てきて困ってしまう人も多いはず。そこで今回は、スマホのワイヤレス通信規格について詳しく解説しよう。

まず、スマホがネットに接続する手段はSIMカードによるデータ通信(4G LTEや5G)だけではない。自宅や会社、ホテルなどでは「Wi-Fi(ワイファイ)」というワイヤレス規格で接続することが多い。また、駅や空港、カフェなどでも公衆無線LAN(Wi-Fi)を利用する場面もあるだろう。

そもそも「Wi-Fi」とは、Wi-Fi Allianceという業界団体が決めた「無線LAN」の愛称である。無線LANは国際標準規格の「IEEE(アイトリプルイー) 802.11」規格なので言いにくかったという事情もあるが、現在では「Wi-Fi 6」といったシンプルな表示も利用されている。したがって、一般的には「Wi-Fi=無線LAN」と覚えておいても差し支えない。詳しくは→こちらを参照してほしい。

また、スマホのデータ通信は利用するデータ量で月額料金も異なる。たとえば、ahamoやLINEMOなどは高速データ通信量が月20GBまでに制限されているが、自宅や会社のWi-Fiでネットに接続しているぶんには、このデータ通信量が減ることはない。したがって、自宅や会社などではWi-Fiを利用することで、データ通信量を気にすることなくWebサイトや動画の閲覧をすることができるのだ。

スマホでは、通話やネット接続で利用するデータ通信(SIMカード)以外にWi-Fiでの接続も可能。また、BluetoothやNFCといった近距離無線通信規格も装備しており、さまざな機器をつないだりコンビニの決済で利用できる

Wi-Fiの規格は「IEEE 802.11」という国際規格で、規格ごとに使用する周波数や速度が変わる。下にいくほど新しい規格になるが、11gや11aは今でもバリバリ現役で利用されている

スマホではデータ通信と同じように、Wi-Fiに接続することでWebサイトの閲覧ができる。これはスマホの設定で切り替えが可能。自宅や会社にWi-Fiルーターがあれば利用できるが、暗号化されているWi-Fiはパスワードを入力しないと接続できない

Bluetooth接続すると色々な機器がスマホで使える!

スマホには近距離無線通信機能も搭載されている。これには「Bluetooth(ブルートゥース)」や「NFC」がある。NFCについては後述するので、まずはBluetoothから説明しょう。

Bluetoothは、Wi-Fiなどのようにインターネットに接続してWebサイトを見るためのものではなく、主にスピーカー、ヘッドフォン、スマートウォッチ、キーボードといったワイヤレス(無線)機器をスマホにつなぐために利用されている規格だ。対応する機器同士であれば、最初にペアリング(相互認証)しておくことで、ケーブルを接続しなくても音楽を再生したり、スマホ同士でデータをやり取りできるのである。ちなみに、Bluetoothの電波が届く範囲は最大10m程度なので、あまり離れてしまうと接続できない。また、国際標準規格なので異なるメーカーや機器同士でも接続できる。Bluetoothスピーカーのペアリング方法については→こちらで詳しく解説しているので参考にしてほしい。

ほかにも、Bluetooth対応のキーボードやマウスを接続して、スマホ(タブレット)をパソコンのように使うようなことも可能となっている。

筆者が購入したBluetooth接続のワイヤレススピーカー。Bluetoothでペアリングしておくことで、スマホに保存した音楽を再生すると、ケーブルを接続することなくスピーカーから音が流れる

Bluetoothのペアリングはスマホの設定からできる。Bluetoothをオンにして表示された機器を認証すればOKだ。一度認証すれば、次回からはスムーズに接続される

スマホをおサイフのように使えるNFCって何?

もうひとつの近距離無線通信に「NFC(エヌエフシー)」がある。これはスマホに内蔵したSuicaで駅の改札を通ったり、コンビニや自動販売機の読み取り機にタッチすることで決済できる優れもの。データ電波が届く範囲はBluetoothなどよりかなり短く、最大でも数十cm程度しかないのが特徴だ。

NFCの規格はいくつかあるが、日本ではソニーが開発した「FeliCa(フェリカ)」という非接触型ICチップが主流となっている。Felicaを利用したサービスにはドコモの「おサイフケータイ」があるが、SuicaやPASMO、楽天Edy、nanaco、WAON、QUICPay、iDなどが利用できるようになっている。ほかにも、モトローラが開発した「TypeB」は、マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなどで利用されている。

また、iPhoneでは2016年発売のiPhone 7/7 Plus/Apple Watch Series 2 にFeliCaチップが搭載されており、Apple Payが利用できるようになった。また、日本向けのAndroid端末では「おサイフケータイ」機能を搭載しており、2016年からAndroid Pay(現Google Pay)が利用できるようになっている。

ただし、NFC=おサイフケータイ(FeliCa)ではないので、海外製スマホでNFC対応とあっても、FeLiCa対応ではない場合も多いので注意しよう。

日本のキャリアで販売されるスマホはNFC=FeliCaであることが多い。FeliCa対応スマホならモバイルSuicaなどを利用できるので、スマホで駅の改札を通過したり、自動販売機やコンビニでの決済も可能だ

いかがだろうか? 現在販売中のスマホであれば、最新のWi-FiやBluetooth規格に対応している機種がほとんどなので安心してほしい。だが、NFCに関しては安価なモデルは対応していない場合が多いし、NFC対応=FeliCaではないので、Amazonやスマホ専門店などで海外メーカーのスマホを買うときは要注意! どうしてもおサイフケータイ機能を利用したいときは、日本の大手キャリア製のスマホでFeliCaに対応するものを選んでおけば間違いないだろう。

文=すずきあきら/編集・ライター

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