モバイル系のマーケティング企業であるApp Annieが、2021年第1四半期におけるApp StoreとGoogle Playの総課金額が、前年同期比40%増の320億ドル(約3兆5,400億円)に達したことを明らかにした。新型コロナウイルスの影響から自宅で過ごす時間が増えたことにより、ユーザーの課金欲を掻き立てたのではないだろうか。また、外出も少なくなり買い物へ出かける機会も少なくなったことが引き金になっている様子だ。
課金額でメインとなるのがゲームだ。積極的な外出が控えられおうち時間が増えたことを機に、コロナ禍以前にはゲームをプレイしてこなかったユーザーも手を出していたように思われる。ニューノーマルとなった今、オンラインゲームによる課金は今後も増加していくことになるのかもしれない。
アプリの課金総額は前年同期比40%増!
App Annieの発表によれば、2021年第1四半期のApp StoreとGoogle Playの課金総額は1年前の2020年第1四半期と比べてそれぞれ40%増加したという。App Store では150億ドル(約1兆6,600億円)から210億ドル(約2兆3,200億円)に、Google Playでの総課金額は79億ドル(約8,740億円)から110億ドル(約1兆2,200億円)と急増しており、消費者の課金意欲が2020年よりも増していることが顕著となっている。
こうしたスマートフォンアプリの課金で一番多いのがゲームカテゴリである。アプリ市場全体を見てもトップのカテゴリだ。ゲームカテゴリでよくダウンロードされる人気タイトルはサバイバルランニングゲーム「Join Clash 3D」や宇宙人狼「Among Us!」となっている。しかしアプリ内課金が多かったのは「ROBLOX」のようだ。ROBLOXはゲーミングプラットフォームで、プラットフォーム内にあるさまざまなゲームをプレイできるもの。さらにオリジナルゲームを制作できるという自由度の高さから、子どもから大人まで楽しめるゲームとして世界中で注目を集めている。
消費者金融業を行うSMBCコンシューマーファイナンスが2020年11月に行った「20代の金銭感覚についての意識調査2021」の結果では、13%の回答者が「課金をしてでもゲームを有利に進めたい」と答えたという。ゲーム内でお金をつぎ込みレアアイテムやレアキャラクターを手に入れることで満足感が得られるようだ。しかし調査対象者の10.6%の人は「生活に困ったことがある」と回答しているほか、20.1%の人がゲームでお金を使ったこと(ゲーム課金したこと)に後悔した経験がある、という側面も浮き彫りに消費者金融のCMではないが、「ご利用は計画的に」ということだろう。
ゲームへの課金を後悔したことのある人は、自宅にいる時間が増えたことでゲームをプレイしている時間も長くなり、ゲームにのめりこみすぎるあまり勢いで課金してしまったのかもしれない。アプリ内課金は一度行ってしまうと沼のようにズルズルとハマってしまう人も少なくない。今後もおうち時間が増えてゲームをプレイするユーザーが増えそうな現状を考えると、第2四半期以降の総課金額もさらに増加していきそうだ。
参照元:総額3兆5000億円の課金が2021年第1四半期にスマホアプリで行われたことが判明、前年度同期比40%増【GIGAZINE】
※サムネイル画像(Image:Ink Drop / Shutterstock.com)