ドコモの新プラン「ahamo」が3月26日にはじまった。公式サイトの通信障害等ちょっとしたドタバタもあったが、多くのユーザーがahamoに加入したとみられている。しかし現在ネット上では「5Gにつながるはずなのにつながらない」という、なぞなぞのような現象が注目を集めている。それも単に「5G非対応のエリアだった」ということではなく、「直前まで5G表示だったものが通信すると4Gに切り替わる」といった具合のようだ。いったいどういうことなのだろうか…。
今回は、実現したはずの“夢の5G”をまた夢物語に返してしまいそうな現状をお伝えしていきたい。
他社と比較して普及が進まないドコモの5G
日本国内でも2020年に商用利用が始まった5Gは、「高速・大容量」「低遅延」「多数接続」を特徴とする通信システムだ。通信が高速・大容量化することで、ゲームや動画などのコンテンツがこれまで以上のスペックへと進化することが期待されている。
しかし現時点での一番の難点は「通信エリアが広がっていない」ことだ。とくにドコモはライバルのau・ソフトバンクと比べて5G基地局の提供エリア普及が遅れていることは常々指摘されている。都市部でも主要な駅の周辺のみが中心で、同じ駅でも「東と西で提供の有無が変わる」といった現象も起こっている状態だ。
話題となっている“5Gつながらない”現象も、この提供エリアの狭さが原因となっていることは間違いない。
実は“5Gつながらない”現象はドコモも公式サイトで言及しているのだ。「5Gのご契約とご利用機種に関するご注意事項」のページを見ると、「5G通信の可能性のあるエリア内で、待受時のRAT表示は『5G』となりますが、通信時は『4G』または『LTE』となる可能性があります」と案内されている。
5G通信ができない理由として、ドコモはJ-CASTニュースの取材に対し、「遮蔽物などがある場合、4Gと5Gの電波の周波数の違いによって4G通信となる」可能性があると述べたという。つまり5Gの電波自体は届いていても、電波強度の問題で4Gに切り替わってしまう、という事象がある模様。これが“5Gつながらない”現象の原因とみてよさそうだ。
そんな“5Gつながらない”現象はネット上でも話題に。「早く安定して使えるようになって欲しいわ」と現状に失望しつつもこれからに期待を寄せる声から、「他社 700 MHz 帯の5G転用を『なんちゃって5G、優良誤認』と批判しているけどまずは自社5Gが優良誤認起こしまくっている」といった厳しい意見まで、様々なユーザーの反応が見られた。
おそらく今回の現象はドコモに限った話ではなく、5Gの網が全国に広く行き届くまではどのサービスでも起こり得ることだろう。そんな中で「とくにエリアが狭い」「ahamoでユーザーが一気に流入した」といった理由が重なり、ドコモが矢面に立たされてしまった感は否めない。この不名誉な評価を一刻も早く返上するため、ドコモにはこれまで以上の5G普及への注力が求められてきそうだ。
参照元:「ahamo」で5Gつながるはずなのに 勝手に4Gに切り替わる【J-CASTニュース】
※サムネイル画像(Image:nttdocomo.co.jp)