2021年9月にスタートするデジタル庁に関する法案が4月6日に衆議院で可決された。現在国が強力に推し進めている日本のデジタル化の司令塔としてリーダーシップを発揮することが期待されるデジタル庁だが、国民からは早くも不安視する声が多数聞こえてきている。
今回は、日本が進化するために避けては通れないデジタル化への壁について考えていきたい。
“デジタル化の司令塔”に関わる法案が可決
テクノロジーの発展も相まって、近年急速にデジタル化が進んでいることをご存知の読者も多いだろう。様々なデジタルサービスのクラウド化をはじめ、IoT家電の普及やキャッシュレス決済の浸透といった消費者の生活の中でも実感できるような分野にもデジタル化の波が押し寄せている。
2020年9月に就任した菅義偉内閣総理大臣も就任当時から看板政策のひとつとして掲げており、11月には早々に「2021年9月にデジタル庁を創設する」と決まったことでも大きな話題となった。その際にはデジタル改革を担当する平井卓也大臣も、決定のスピード感を「通常ではありえないスピード」と表現し菅政権の取組みへの本気度を内外に知らしめた。さらにデジタル庁創設の内容も含まれた「デジタル改革関連法案」が衆議院を通過した6日には、平井大臣からデジタル庁発足に向けた人材としてIT技術者など20~60代の35名を民間から採用したことも発表されている。
具体的に動き出して姿の見えはじめたデジタル庁の存在に、国民もさぞ期待を寄せる…かと思いきや、ネット上では懐疑的な反応が多くを占めることとなった。
「デジタル庁を作るのはいいけど、どうせ素人集団なんでしょ」「審議している連中の中にネットインフラに強い議員がいるとは思えない」「専門家を入れなきゃ、多額の税金をドブに捨てるようなものだ」など、デジタル問題に明るい人材の登用を求める意見が殺到。中には「LINEへのコメントを聞くにつけ、この人で大丈夫なのかと思ってしまう」と、平井大臣自身の資質に疑問をもつ声も挙がっていた。また人材だけでなく、健康保険証としての本格利用の先送りが決まった、菅総理も費用対効果について「悪すぎる」と認めるマイナンバー制度への苦言も相次いでいた。
デジタル化が国民の暮らしを豊かにしてくれることは確かなのだろう。しかしそれを推進する旗振り役が頼りない存在では、国民が不安に思ってしまうのは仕方のないことだ。スタートするまでのおよそ半年間でどれだけ国民の信頼を得ることができるかが、デジタル庁の事前課題となってしまったようだ。
参照元:【速報】デジタル改革関連法案が衆院通過、今年9月デジタル庁発足へ【TBS NEWS】