あなたは「Yahoo!知恵袋」を利用したことがあるだろうか。自ら質問者や回答者として利用したことはなくても、すでに解決した質問の回答を見て、参考情報として利用した経験があるという人は多いのではないだろうか。「文献を漁るほどではないけど、ちょっと知りたい」「友達に聞く感覚で気軽に情報を得たい」そんな時にちょうどいいのがYahoo!知恵袋だ。
そんなYahoo!知恵袋のアメリカ版にあたる「Yahoo Answers」が、2021年5月4日をもってサービスを終了することが発表された。
アメリカ版知恵袋がサービス終了…日本版Yahoo!知恵袋への影響は?
現地時間4月5日にサービス終了が発表されたYahoo Answers。4月20日から読み取り専用モードとなり、5月4日以降はアクセスするとアメリカ版Yahoo!のトップページに転送されるようになるという。なおYahoo Answersを運営するVerizon Mediaは、日本のYahoo!との繋がりはなく、サービス終了にともなうYahoo!知恵袋への直接的な影響は発生しない。
Yahoo Answersは、以前から誤情報が多いことが指摘されていた。利用ユーザーに宛てたメールでは、「Yahoo Answersはかつて当社の製品やサービスの主要部分を担っていたが、利用者のニーズの変化に伴い、人気が低下した」と説明している。今日ではオウンドメディアを活用し自ら情報を発信する企業や、専門家への取材をもとに書かれたネット記事といった“責任のある情報”が数多く存在しており、どこの誰が書きこんだのかわからない“無責任な情報”は、ニーズが激減してしまったのだろう。
いつか日本のYahoo!知恵袋もなくなる?カオス化するコンテンツ
サービス終了に際する日本版Yahoo!知恵袋への影響はないとのことだったが、日本版においてもニーズが減少している可能性はあるだろう。開設当初は役立つ知識が集まるコンテンツだったが、いまは「彼女に奢りたくないのですがどうすればいいですか?」「マナカナはどっちが可愛いですか?」「W不倫は罪ですか?」といった投稿がカテゴリ問わず乱立するコンテンツとなっている。なかには明らかに“ネタ”とわかるような投稿や、さらには大喜利を開催しているスレッドもある。まさにカオスだ。
過去には、犯罪を連想させる“怖い質問”がちょっとした騒ぎになったことも。「血液に捨て方はありますか?」「舌を切れば、声は出せなくなりますか?」といった質問や「血痕や匂いを完全に消す方法はありませんか?訳あって、長さ1m少し、重さ23kgの大型動物を解体する予定です」という奇妙な質問が同一人物から多数寄せられていたのだ。現在この質問は削除されているが、ほかにもさまざまな都市伝説が語り継がれているYahoo!知恵袋。本来の使われ方が完全になくなったわけではないが、減少しつつあるのが現状だ。
こうしている今も、ネット上には確実性の高い情報がどんどん発信されている。日本版Yahoo!知恵袋が米国版の後を追うのは、もしかすると時間の問題なのかもしれない。
参照元:米国版「知恵袋」、「Yahoo Answers」が5月4日に終了へ【ITmedia NEWS】
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