2020年4月から2021年3月に放送された全CMの中から「CM好感度トップ10」と「CM好感度の獲得効率トップ10」、2つのランキングをCM総合研究所が発表した。コロナ禍でライフスタイルが大きく変化するとともに、CMで紹介される商品の内容や訴求方法も大きく変わった今年、7年ぶりにCM好感度ランキングを制した企業ははたして……。
7年ぶりに1位へ返り咲いたソフトバンク
CM総合研究所は、2020年度にCMを放送した全2,380社のうち、「ソフトバンク」が7年ぶりのCM好感度総合1位に輝いたことを発表。2位には「マクドナルド」、3位には「KDDI」がランクイン。ソフトバンクは、ブルース・ウィリスがドラえもんを演じる「5Gってドラえもん?」シリーズや、松本人志をはじめ千鳥などの人気芸人が出演する「勝手にHERO’S」シリーズ、芦田愛菜らが出演する「Y!mobile」のCMなど、ユーザーの興味を引くユニークなCMを放送。ターゲットに合わせた人気芸能人を起用するキャスティングが功を奏したようだ。
中でも注目を集めているのが、年度末に急遽ソフトバンクグループ入りした本田翼の「LINEMO」の新CM。LINEMOは、ソフトバンクが2021年3月17日に導入した携帯電話の料金プランのこと。2020年12月3日にNTTドコモが発表した新料金プラン「ahamo」に対抗したソフトバンクの格安プランとして人気を博している。そんなLINEMOの新CMでは、キャラクター・モモンキーと本田が元気でキレキレのダンスを披露。ネットで「LINEのCMが本田翼の可愛さを最も引き出していると思う」「本田翼の破壊力がやばい」など絶賛の声が寄せられ、本田の人気が伺える。
2013年度まで同ランキングで7連覇をはたしていたソフトバンクが、今回7年ぶりに1位に返り咲いた。当時人気を博したお父さん犬でおなじみの「白戸家」シリーズだけでなく、2013年度には同年のワールドカップで活躍したサッカー選手・香川真司、AKB48の全盛期を築き上げグループ卒業を発表したばかりの前田敦子、最終回の平均視聴率42.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した平成の大ヒットドラマ「半沢直樹」で主演を務めた堺雅人など、豪華キャストをふんだんに起用。当時から時代の波を敏感にキャッチする姿勢は変わらないようだ。
もう一つのランキング「CM好感度の躍進企業トップ10」では、ソフトバンクの競合でもある「楽天モバイル」が1位にランクイン。“プラン料金1年無料”という破格のキャンペーンを訴求するCMをはじめ、商品のお得さが分かりやすく説明されている点が高評を得た。楽天モバイルをはじめ、共通の楽天ポイントでユーザーをグループ内に囲い込む楽天経済圏が急成長を遂げている。対抗するソフトバンクグループも、CMで得た好感度をユーザーの増加につなげられるかが、ソフトバンク経済圏拡大のカギとなりそうだ。今後もソフトバンクグループの躍進に期待が集まる。
参照元:【ニュースリリース】2020年度 企業別CM好感度、躍進企業、獲得効率トップ10を発表【CM総合研究所】
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