ITmediaの報道によると「携帯ショップにおいて回線契約をせずにスマホだけの単体販売を拒否する場合がある」ことが問題になっているという。だが、この記事で注目されているは、“携帯ショップでスマホだけを買う人がいる”という事実である。そもそも携帯ショップでスマホだけ買えることを知らなかった人も多いと思うが、いったいどんな理由で、わざわざ携帯ショップでスマホだけを買う必要があるのだろうか……。
携帯ショップでスマホを単体購入できるって知ってた?
2021年4月26日、ITmediaの「回線契約ない客への端末販売拒否が横行 総務省の覆面調査で明らかに」という記事が話題となっている。この記事は「現在、携帯ショップではスマホと電話回線の分離販売が義務付けられているのに、総務省が覆面調査したところ、スマホのみの単体販売を拒否する場合があった」というもの。その背景については、東洋経済オンラインの記事が詳しく解説しており、販売店のスマホ仕入価格がキャリアの直販価格と同じなので売るだけ赤字になるといった、いびつな裏事情があるそうだ。
だが、この記事でもっと注目を集めているのは、そもそも「携帯ショップでスマホを単体購入できる」こと。そして、「携帯ショップでスマホだけを単体で買う人がいる」という事実である。あまり知られていないが、実は総務省は2019年に法改正してまでスマホと電話回線の分離販売を実現した。これによって携帯ショップでスマホだけを単体購入できるようになっていたのである。それにしても、わざわざ携帯ショップで回線契約をせずにスマホだけ買う意味などあるのだろうか?
そもそも、スマホを単体購入するなら、現在ではメーカーの公式サイトから直接SIMフリー版を購入できるし、Amazonや専門中古ショップなどでも手軽に購入できる。それなのに、わざわざ携帯ショップでスマホを単体購入する人などいるのだろうか?
まず考えられるのが、各キャリアの携帯ショップでしか販売されていない限定スマホ狙いの人。スマホコレクターなら、どうしても欲しい機種を単体で購入する場合もあるだろう。最近ではSIMフリー化が義務付けられているので、携帯ショップで買ったスマホを格安SIMで運用することも容易である。それ以外では、新型iPhoneを1日でも早く手に入れるためだったり、単純に公式サイトより安く買える場合も考えられる。もしかすると、ネットが苦手な高齢者がスマホが壊れたときに、何も考えずに携帯ショップを訪れてスマホを単体で買っているのかもしれない。もっとも、この場合は機種変更扱いになるだろうが……。
いかがだろうか? 今回の報道では、総務省が覆面調査をしてまで携帯ショップでのスマホ単体販売を推進していることが明るみになった。そこで筆者は、携帯キャリアでスマホを単体購入する人の理由を考えてみたが、正直言ってどれもしっくりこない。もしかすると、実際には携帯ショップでスマホを単体購入する人などほとんどいないのかもしれない……。
ということで、もし、スマホを単体購入するなら中古ショップがオススメ。キャリアや格安SIMのキャンペーンを利用してタダ同然で入手したスマホは、未使用のまま中古ショップで売却されていく。そして、それが新古品となって市場には大量に流通しているのだ。
参考元:「回線契約ない客への端末販売拒否が横行 総務省の覆面調査で明らかに」【ITmedia】
参考元:「携帯ショップで「スマホ販売拒否」多発のなぜ」【東洋経済オンライン】
※サムネイル画像(Image:Sergiy Palamarchuk / Shutterstock.com)