スマホ業界の「お得です」は信用ならない? はびこる悪習を総務省が公表

総務省がとんでもないデータを発表した。なんとキャリア各社の販売代理店で働く店員のうち、4割強が「利用者の意向を確認せずに上位の料金プランを勧誘したことがある」というのだ。これまでもたびたび複雑な契約プランが話題となっており、国がそんなキャリア各社の態度に業を煮やしたことも2020年の秋から始まった“携帯電話料金値下げ”の動きに無関係ではないだろう。今回は、キャリア各社が不誠実な対応を続けていた事実が判明したことや、それに対する世間の反応についてお伝えしていきたい。

望んだプランに乗り換えたはずが…?

プラン選びは重要な選択だ

 総務省の調査によれば、スマートフォン通信サービスを提供するキャリア各社の代理店では、ユーザーのニーズをしっかりと確認せずに、より高いプランを勧誘する行為が横行していたようだ。例えばスマホをあまり使わない高齢者に対し、通信容量の少ない低料金プランで十分だと認識しながらも大容量の高額プランを勧める、といったことだ。

 こうした行為がまかり通る理由として、「これまでのスマホプランが複雑すぎた」ということがあるだろう。ユーザー側からも、何度読んでも全体を把握できないプラン内容への不満は何度も噴出していた。
 だからこそドコモの「ahamo」をはじめとした各社の新プランも“シンプル”“わかりやすい”といった部分を前面に押し出してPRしているのだろう。

オンライン契約はユーザーがどこからでも好きな時間に契約できる

 こうした不誠実な対応が続けられた理由についても今回の調査で判明している。「キャリアー(キャリア)の営業目標に従わないと経営上不利になる」「営業目標の達成の有無が自分の給与に影響する」といった「営業目標」を理由とする回答が4割以上を占めていたという。これは代理店の販売員がノルマに追われ、自分の成績を上げるため不要な契約をユーザーに“押し売り”していたことに他ならない。悪質な訪問販売と何が違うのだろうか。
 この調査とは直接の関連性は無いことだが、ahamoのサービス開始前後には「アハモフック」なる問題を取り上げた報道も一部で見られた。あの問題もahamoというユーザーが興味をもつプランを餌に、ユーザーが望んでいない他のプランを契約させるやり口として報じられていた。業界全体にそうした勧誘方法が染みついていると思わざるを得ない。
 ネット上でもこの報道についての批判が殺到。「自動で一番安い料金になるようにしろよ」とプラン選択の仕方の見直しを求める声が多く聞こえてきており、中には「ショップの甘い勧誘言葉は信用しないことにしました」と、過去に起きた自身の苦い経験を語るユーザーも現れた。

 今回の一件が明るみに出たことで、少なくともいったんは“押し売り”は鳴りを潜めることだろう。しかし代理店がノルマに追われる体制が変わらないことには、ほとぼりが冷めたらまた同じことが繰り返されることは火を見るよりも明らかだ。
 毎回もぐら叩きのように「問題が出てきては打たれる」を繰り返すのならば、いっそノルマを抱える販売員が介在しないオンラインにすべてを任せてしまうのはどうだろうか。「オンライン契約を義務化」「AIが判断して最適なプランを選択できる」くらいの荒療治でなければ、この風潮は簡単には正せないのではと感じてしまう。

参照元:携帯ショップ店員の4割強「客の意向確認せず勧誘」 総務省調査【毎日新聞

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