テレワークやワーケーションなど、コロナの影響や働き方改革によって日本の働き方も多様化してきた。オフィス自体閉鎖してしまうといった会社もあるほど。それによって大きな変化を遂げているのが東京の人口だ。日本の経済中心地として地方から東京に出てくる人も多かったが、このコロナ禍の影響で2020年5月頃から減少を続けているという。東京にいた住人たちは一体どこへ移り住んでいるのだろうか。
東京から町一つ分人が消える
有名大学や大企業の本社も多く存在する日本の首都、東京。日本各地から多くの人々が集まり、47都道府県のうち3番目に小さな面積に、約1,395万人(2021年4月1日現在/東京都発表)もの人が住んでいる。
春は通常なら進学や就職、異動などで人口が増える時期だが、今年は今までと違う様子。東京都の発表によると、3月中に都外に移った人は6万7,007人(日本人のみ/東京都発表)だといい、4月1日時点で現在の東京の人口は1,395万7,179人。コロナが大きな動きを見せはじめた昨年と比べて、2万5,443人も減少した。かなりの人が東京から移住していることがわかる。
つまり、リモート授業やテレワークの普及よって「わざわざ進学や就職のために、東京へ来る必要がなくなった」「東京にいなくても授業や仕事ができる」ということだろう。では東京から離れた人々は、いったいどこへ移り住んでいるのだろうか…?
東京からの転出先として目立っているのは埼玉、神奈川、千葉の3県。いずれも東京に接する“ベッドタウン”としても人気の関東圏ではあるが、ここにきてさらに増加傾向にあるという。
2019年と比べて2020年中の移転先の1位にあげられたのは、神奈川県藤沢市(東京新聞調べ)。JR湘南新宿ラインを利用しての東京主要部へのアクセスも良く、江ノ島などを有する自然豊かで開放的な場所であることも理由かもしれない。その他東京都外では、神奈川県横浜市や川崎市、千葉県船橋市などが上位にランクインしている。中には茨城県つくば市や栃木県宇都宮市など、東京に隣接していない県への移住も増加している。
地元に戻ったUターン組もいるだろうが、東京中心部に比べて自然が多かったり家賃が抑えられたりというメリットから、これを機に東京を離れたIターンやJターンなどの移住者も多いのではないだろうか。
巷では観光地やリゾート地などで働きながら暮らす「ワーケーション」の動きも見られていることもあり、現に国内のリゾート地として人気高い沖縄県の人口も増加傾向にあるという(ニッセイ基礎研究所調べ)。
緊急事態宣言の延長やワクチン接種の遅れなどから、コロナ禍はまだまだ続いていくだろう。となれば、今後もっと働き方や教育の柔軟化&多様化していくことを考えると、東京の人口はさらに減少していくかもしれない。
【参照元】「東京脱出」4月も止まらず…「一つの町に匹敵する人口」が減少【東京新聞】
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