ツイッターが“いじめ対策”!? 投稿前に警告表示は誹謗中傷を止めることができるか

米ツイッターは、「ユーザーが相手を傷つける可能性のある言葉を含むリツイートを投稿しようとすると再考するよう促す」というプロンプトの表示を正式機能に追加すると発表。まずは、英語設定のモバイルアプリで展開し、今後は英語以外の言語にも拡張していく予定だという。「相手を傷つける言葉」といえば、2020年に若い男女たちの共同生活を観察する番組の出演者が、SNSで誹謗中傷を繰り返し受けたことを苦に自殺してしまった事件が記憶に新しい。今回のプロンプト表示の追加によって、リツイートによる不必要な誹謗中傷を減らすことはできるのだろうか。

誹謗中傷なのか、親しい者同士の冗談なのか?

アルゴリズムの改善で、アカウント同士の関係性が考慮されるように

 ツイッターによると、2020年5月からこの機能をテスト運用していたという。初期のテストではアルゴリズムが不快な言葉と友好的な冗談の区別ができなかったが、過去1年で多数のフィードバックを集めて対処した結果、アルゴリズムが改善されたため正式リリースする運びとなった。
 アルゴリズムの改善では、「頻繁にやり取りしているアカウント同士であれば一般的には不快な言葉でも冗談の可能性が高いと判断する」など、SNSならではの関係性を考慮するような工夫も施されている。

運用者の対策と利用者のモラル向上で、SNSはより良いコミュニケーションツールになるはずだ

 テスト運用の中では、プロンプトが表示されたユーザーのうち34%が、リツイートをやめるか修正を施したことが明らかになっている。さらに1度プロンプトを表示されたユーザーは、平均11%も攻撃的リツイートが減ったという。これにより一定の減少が見られることがわかったが、それでもまだ少数に留まっている。
 ツイッターは、今後も健康的な会話を促進するために調査を続けるという。英語以外の言語にもユーザーが相手を傷つける可能性のある言葉を含むリツイートを投稿しようとすると、再考するよう促すプロンプトを表示する新機能を拡張する際には、プロンプトを表示された人にフィードバックを求めていく予定だ。

 ツイッターでは、2020年にリンク先の元記事を読んでからリツイートするよう促すプロンプトの表示も開始している。このプロンプト表示でも、表示を見たあと元記事を開いたりリツイートする前に元記事を開く利用者の増加が確認されているという。記事をツイートしたり共有したりする場合にリンク先の元記事の内容を確認すれば、一呼吸置くことで冷静さを取り戻し不必要な誹謗中傷を減らすことも可能なはずだ。

 これまでにも冒頭に記した事件と同様の深刻な被害が繰り返されてきたなかで、ツイッターの新機能追加は画期的ながら、タイミングとしてはある意味遅かったと言えるかもしれない。ツイッターのみならず、SNSの運営者たちには早急に更なる対策を講じてもらいたい。そしてSNS利用者側も、一時的な感情に任せた攻撃的なリツイートを控えるべきである。今後、SNSによる傷ましい事件が減ることを願って止まない。

参考元:Twitter、相手を傷つけそうなRTの投稿前に再考を促す機能を正式に まずは英語版アプリで【ITmedia NEWS

オトナライフ編集部
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