マイナンバーカードでコロナワクチン接種記録管理を発表も、大混乱必至の予感!

マイナンバーカードでワクチン接種記録が見られるようになることが明らかになった。平井デジタル改革担当大臣の発表によれば、オンラインサイトの「マイナポータル」から、新型コロナワクチンのみならず過去に自分が打ったいろいろな予防接種データも見られるという。リリース日は明らかになっていないがシステム開発はすでに進んでおり、近く実現できるという。が、情報漏洩疑惑のあるマイナンバーに混乱必至のコロナワクチン接種が組み合わさったら、大騒動となるのではないか。

マイナンバーカード普及もまだまだなのに…不安は拭い去れない

(Image:umaruchan4678 / Shutterstock.com)

筆者もマイナンバーカードを取得したが、今のところメリットを感じる場面がない

 2021年4月1日時点のマイナンバーカード交付率は28.3%。総務省が普及のために行った「マイナポイント」制度により多少の増加はあったものの、政府が掲げている「2022年度末までにすべての国民に行き渡る」との目標には程遠い。しかも、マイナンバーを含む個人情報が中国に流出していたのではないかなどの問題も浮上しており、マイナンバーに関する情報管理において、国民の不信感はいまだ払しょくできていないというのが現実だろう。
 マイナンバーカードの発行自体にはデメリットはないが、情報が一元管理されることで情報漏洩のリスクは高まり、また身分証明書にもなることから、盗難や紛失などのリスクも注意しなければならなくなる。

 一方、メリットはというと、身分証明書になることやコンビニで住民票などの公的証明書が発行できるといったことが挙げられるが、「マイナンバーカードを持っていてよかった!」と思える場面が思いつかない……という読者も多いのでは。予防接種データが見られるようになるという機能は、マイナンバーカードの交付率促進に効果的とは思い難い。

2回受ける必要がある新型コロナワクチン。従来の台帳管理では困難と、突如システム管理の話が浮上

 一方、コロナワクチン接種の現場では今もあちこちで問題が起きている。ワクチン接種のネット予約がシステムダウンによりできず、高齢者による医療機関への問い合わせが殺到して業務に支障をきたし、ワクチン管理のミスや副作用疑惑のニュースは後を絶たない。そこへ新システムを導入するなど、重い荷物を背負ってゼーゼー言っている医療現場に、さらに大きな荷物を持たせることになる。マイナンバーカードの健康保険証利用についてもトラブル多発により本格運用を10月に延期したのに、ワクチン接種記録も紐づけるなんて、「近く実現」の“近く”って一体何年後の話だろう?と首をひねってしまう。

 マイナンバーカードの発行によって、国民に恩恵が感じられなければ普及は進まないのは自明の理。さらに医療機関や行政の現場で混乱が起こり、業務が滞って不具合が生じたり更なる税金が投入されたりする状況は本末転倒だ。とにもかくにも、個人情報の管理徹底だけは肝に銘じていただきたいものだ。

参考元:平井大臣 マイナカードで「ワクチン接種記録見られるように」【TBS NEWS】

オトナライフ編集部
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