キャリア4社ユーザー争奪戦! ドコモと楽天モバイルの一騎打ちの様相

スマートフォンキャリア各社の新プランの中の“勝ち組・負け組”が、マーケティングの視点からも見えてきているようだ。分析の結果によると、今後は「ドコモと楽天モバイルが中心となってシェア争いが続いていく」とされている。この展望は他のアンケート調査の結果とも整合性が取れているようで…。

今回は、マーケティングという切り口から見た新プラン競争についてお伝えしていきたい。

ドコモ、ahamoでイメージアップに大成功

(Image:pisaphotography / Shutterstock.com)

格安新プラン開始後楽天モバイルに遅れをとったものの、5月に入り順調に回復傾向にあるドコモ

 マーケティング調査会社の日本リサーチセンターは5月18日、ブランドに対する消費者の日々のリアルな反応を収集するソリューションツール「BrandIndex」を使ったスマホキャリア業界のマーケットトレンド情報を発表した。
 日本リサーチセンターの実施した調査によれば、ドコモは2020年12月に新プラン「ahamo」を発表して以降、業界トップクラスの“良いイメージを持たれている”企業として推移しているようだ。ahamo発表後、ソフトバンクの「LINEMO(発表当時は『SoftBank on LINE』)」やauの「povo」も次々と発表されたが、ahamoほどの好感度アップは果たせていない。そして最後に満を持して登場した楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」は、新プランで唯一従量制プランを打ち出し差別化に成功したからか、発表後ドコモと同調査の1位を争うほどのイメージアップを遂げている。

 また、実際の契約者数の評価でも、楽天モバイルは新プラン開始後にグングンと数字を伸ばしている。既存の3大キャリアは数字を下げるか現状維持程度に留まってしまっているものの、5月に入った頃にようやくドコモが上向きの気配を見せた。
 日本リサーチセンターはこの動きについて、「スコアを回復させたドコモと楽天モバイルのシェア争いに注目が集まるだろう」と展望を語った。

(Image:NP27 / Shutterstock.com)

ライバルとの差別化に成功した楽天モバイルは通信基地局の増設にも注力している

 「ドコモと楽天モバイルの一騎打ち」という様相は、他の調査からもその傾向が見て取れる。MMD研究所が4月20日~22日に実施した「2021年春商戦の通信サービス契約者実態調査」でも、2021年3月~4月に契約したスマホユーザーのうち最も選ばれたのは22.9%の回答者が集まったahamo、2位はUN-LIMIT VI(18.7%)という結果が報告されている。やはり、携帯料金値下げの動きに最初に応えたことでイメージアップに成功したドコモと、新規参入サービスとしてライバルたちとの差別化に注力する楽天モバイルが、ユーザーからの支持を獲得したということだろう。

 実はドコモは、ahamoに続いてより低価格な小容量プランを今後展開することを発表している。楽天モバイルについても、夏頃までに自社回線の人口カバー率96%を達成するという宣言に加えて、エリアの拡大だけでなく電波密度の充実にも注力する計画も明らかにしている。
 今後のスマホ通信業界は、この2社を中心に回っていくことになりそうだ。ドコモと楽天モバイルの動向に注目しながら、さらには新プランのスタートダッシュが芳しくなかったとみられるau・ソフトバンクの巻き返しの秘策も楽しみにしたい。今後もキャリア4社から目が離せなくなりそうだ。

参照元:お客さま争奪戦 ~新料金プランで変わる!? 携帯各社のパワーバランス~【日本リサーチセンター

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