愛される日本製ボールペンの秘密は、精緻な切削技術によるものだった

日本人の繊細さと丁寧さが、高い切削技術力の源となっている
画数の多い漢字を書く必要がある中国の学生にとって、書き味の悪さやインクのにじみは積もり積もって大きなストレスの原因となっていた。また、ちょっと落としてしまうとインクが出なくなる中国製のボールペンに毎回失望させられていた。
一方、日本製ボールペンはスムーズな書き味で、丈夫。学生からの日本製ボールペン人気は高まるばかりで、ボールペン以外の文具も日本製のもので揃えるようになった人も少なくないとか。中国製と比較すると日本製の価格は2〜3倍するものの、コスパが高く、書いた文字にいっそう個人の風格が現れるという意見まで出るほど愛用されている。
これまでにも中国では多くのボールペンを生産してきたが、ペン先のボールに関しては精密な加工が求められるため、輸入に頼らざるを得なかったという。2017年には「太鋼集団」という中国企業が、中国国内でペン先を生産できる技術を開発したことがニュースとなったが、実際には今も日本製ボールペンに勝る技術を確立できていないようだ。しかし、ボールペンのペン先を作ることができるほど精緻なステンレスの切削技術を手に入れることができれば、ほかの様々な産業にも応用できるとして、ビジネスの大きな価値を感じているとしていた太鋼集団は、今後もその座を狙ってくることだろう。日本の技術には60年ほどの猶予があるとされているが、ますます技術を高めて中国企業に追い越されないように頑張っていただきたいものだ。
参考元:どうして日本から年間1億本ものボールペンが輸入されるのか=中国メディア【Searchina】